サーバルーム空調機の種類とは・・・?(2) ~方式編~
以前、サーバルーム空調機の種類とは・・・?(1) ~熱の種類編~ をお届けしました。
続きの「方式編」について、お話ししてみたいと思います。
空調の種類としては、以下のように大きく2種類あり、サーバルームへの空調は、顕熱を意識することで、効率よく冷却することが可能であると述べました。
1.人間への空調(健康空調):「顕熱」+「潜熱」 →空調の種類は【一般空調】となる
2.サーバルームの空調(産業空調):主に「顕熱」 →空調の種類は【高顕熱空調】となる
市場には様々な空調機が投入されており、用途や特性に応じて、たくさんの工夫がされています。
それぞれ、メリットもデメリットもありますが、より建物や部屋にマッチした方式を選定します。
<空調方式>
・セントラル空調方式
建物一括、若しくはフロアやゾーン(東西南北など)に分けて、集中管理する空調方式。
大規模建築物に多く用いられ、比較的耐用年数が高い。
・個別空調方式
部屋毎に分散して設置する空調方式。
個別に温調管理できるが、比較的耐用年数が低い。
<熱媒方式>
・全水方式
冷房では冷水、暖房では温水を利用して、熱を運搬する空調方式。
空気を運ぶわけではないため、大きなダクトスペースが不要。
水を通すため、事故が発生した場合、水損を起こす。
換気を行なう場合は、外気の取入れが必要となる。
空気よりも水の方が比熱が高いため、水の方が効率が高い(空気比熱 1,007 J/(kg·K) < 水の比熱 4,183 J/(kg·K))。
サーバ室のように熱負荷が高い室(大容量・高集積)では、冷水を用いた空調の方が良いとされる。
・冷媒方式
なじみ深いエアコンが代表的な空調機といえる。
機能も性能も高くなってきており、水を使用しないため、水損事故が起きにくいのが大きな特長。
だが、室外機が必要なため、屋外にスペースと大きな電力が必要。
<搬送方式>
・全空気方式
空気で熱を運ぶ方式。
空調機により外気と室内からの還気を混合させたり、室内からの還気をそのまま加熱又は冷却しダクトで室内に送風する。
機器を集中して配置するためメンテナンスしやすかったり、換気を大きくすることができたりとメリットがあるが、機械室が大きくなったり、天井内に大きなダクトスペースが必要といったデメリットがある。
定風量または変風量の送風方式があり、エリア毎に風量調整ができるように制御ができる。
・空気/水(冷媒)併用方式
水(冷媒)と空気の両方を併用し熱を運ぶ方式。
換気に必要な外気の取入れは全空気方式と同様とし、室内は冷水、温水または冷媒を室内に設置された空調機に取り込み空調する。
水は空気に比べ少ない面積で多くの熱を運べるため、全空気方式と比較して熱を搬送するためのスペースを小さくすることが可能。
それぞれの用途に分けて、マッチした方式を選ぶことになるのですが、サーバルームの空調は、主に以下となるのではないでしょうか。
・空調方式:個別空調方式
・熱媒方式:全水方式か冷媒方式を、熱負荷やスペースに応じて、検討を行ない、最適な方法をとる。
・搬送方式:空気/水(冷媒)併用方式
さて、次回は、これらの方式を踏まえた、空調機の「選定編」について述べたいと思います。
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