サーバルーム冷却の結露問題
今回は冷却における結露についてお話ししたいと思います。
表題はサーバルーム冷却とありますが、結露ということに関しては、空気中の水分に関することなので、サーバルーム以外でも発生しうることです。
今、我が国では、大変厳しい夏になっています。
近年ですが、気温が35℃を超える猛暑日になることは当たり前になってきていて、凄い地域では40℃を超える酷暑日になってきています。
(筆者も、この酷暑日という言い回しは、ここ最近知りました・・・。)
さらに、湿度も高く、ジメジメしていて、大変不快ですね。
昔はエアコンは贅沢品でしたが、今は必需品で、命を守るために必要な設備だと思います。
ライフライン(水や電気やガス)という言葉は、東日本大震災以降に一般的な言葉になりました。
ここ近年では、スマホなどの通信機器も、ライフラインのひとつに数えられるようになりましたが、夏場のエアコンもライフラインのひとつだと言って過言ではないと個人的には思います。
結露の話しに戻しますが、温度と湿度の話しをしたのは、結露はそこに大変密接しており、温度と湿度が高いと多くの水分が含まれるので、結露しやすい性質だからです。
結露とは?
そもそも結露とはという話しです。
凝縮水とも言われますが、特に夏場によく見られがちな、冷たい飲み物を注いだコップの外側に付着している水分がわかりやすい例えだと思います。
温度と湿度が高い空間に、冷たいものを置くと、周りの空気が冷やされて、露点温度に達することにより結露します。
難しい言い回しですが、空気のメカニズムとして、そういう性質だということです。
冷房運転における凝縮水(ドレン水)
エアコンの冷房運転時に何が起きているかという話しです。
冷房では、リモコンに設定温度がありますが、室温をその温度にするために、室内の温度を冷却させます。
空気中に含んでいる水分量(湿度)が変わらなければ、温度が下がることによって、露点温度(結露の発生)に達します。
これが凝縮水です。
つまり、冷房することで、凝縮水をドレン水として排出することで、除湿も兼ねているということになります。
冷房することで、心地よいのは、温度変化の他に、除湿されることで、涼しくてさらにカラっとすることになるからです。
空気線図
これまでキーワードにしていた、結露(露点温度)、温度(乾球温度(室温のこと))、湿度(湿度量(絶対湿度)、相対湿度(湿度何%)などは、空気線図を用いると説明がつきます。
空気線図の読み方は、少し専門的なテクニックが必要ですが、要するに空気の2点の状態がわかると、その他の空気の状態を知ることができるとても便利な図です。
例えば、室内の温度と、相対湿度がわかれば、湿度量や結露する温度がどのような数値になるかどうか把握できます。
今では、サイト検索で、「空気線図」と入力すれば、簡単に調べることができます。
空気線図から算出できるのですが、温度と湿度が高いと多くの水分が含まれるというのは、このような結果になります。
・温度30℃、相対湿度70% → 絶対湿度18.8g/kg、露点温度23.9℃
・温度20℃、相対湿度50% → 絶対湿度7.3g/kg、露点温度9.3℃
夏場におけるシーンは、より温度と湿度が高い方の、温度30℃、相対湿度70%ですね。
結果、湿度量(水分量)が多く、露点温度も高いので、冷たいもの飲み物を置くと、周りの空気が冷やされ、露点温度が高いことから、結露する様子を数字で示しています。
サーバルームの冷却
サーバルームと言っても、考え方は普通の部屋と似ているところはあります。
例えば、室温を27℃、湿度50%を目指すと仮定します。
前述より、夏場は冷却と除湿が必要になります。
しかし、冬場は普通の部屋とは異なります。
IT機器は年中放熱しますので、冬場でも冷却することが必要ですが、夏場とは逆のことをしなくてはならず加湿をします。
そうして、目指す温湿度に近付けようとするのです。
サーバルームの冷却には、除湿が必要な場合があり、ドレン水として排出することは、必要なプロセスになるシーンも考えられます。
空調することで、冷却除湿することですね。
ただ、IT機器は、水を嫌います。
冷却装置はラックに近ければ近いほど、冷却効率が高いですが、IT機器の直近傍で、結露水を発生させることはあまり好ましいとは言えません。
ラックとは遠いところで除湿させて、近いところでは冷却だけさせることを考えた方が賢いやり方だと言えそうです。
リアドアによるラック冷却
これまで、当ブログでは、様々な内容を書いてきています。
サーバルーム発熱対策あれこれ ~IT機器冷却の種類はどんなものがあるの?~や、リアドアを用いたサーバ冷却が、リアドア冷却の内容になっています。
リアドアはラックの直近傍で冷却し、結露させない温度で使用することで、効率の高い冷却を実現しています。
我々DC ASIAでは、リアドアの取り扱いをしています。
冷却する熱量が大きなものまで様々にラインナップがあります。
・Motivair | ChilledDoor
アクティブ方式
冷却能力 : 約12kW~75kW/ラック
・nVent | RackChiller Rear Door Cooler
パッシブ方式 / アクティブ方式
冷却能力 : 約30kW~50kW/ラック
DC ASIAでは、皆さまのデータセンターのコンサルテーションを積極的に行っています。
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