DCIMのマルチテナント管理機能
コロケーションデータセンターは、マルチテナントデータセンター(MTDC、あるいはマルチテナント型データセンター)とも呼ばれています。
マルチテナントデータセンターとはその名が示す通り、複数のテナントが入居するデータセンターです。
現代は、このようなマルチテナント型データセンターは一般的です。
国内の商用データセンター市場の観点では、特に2011年の東日本大震災をきっかけに、企業の自社ビル内データセンターからの移行が進みました。
一方、企業内データセンター(エンタープライズ)でも、従来は各部門内のオフィスにラックを置いて個別にシステムを管理していたものから、サーバーの高性能化やシステムの大規模化に伴い、一か所の大きなサーバールームに集約されるようになりました。
そのような動きに合わせて、このようなマルチテナント環境を管理する必要性が生まれました。具体的には利用ユーザごと、部門ごとにそれぞれが管理する対象ラックに対し、他者からのアクセスを禁止する排他的制御が求められるようになりました。
マルチテナント環境を管理する機能がないと、ユーザーごと、部門ごとに別々のシステム(データベース)を持たなくてはならなくなります。せっかくITインフラを統合してもこれでは非効率的です。
マルチテナント機能があると、統一された一つのデータベース上で、管理責任者はインフラ全体を管理でき、一方、各インフラ利用ユーザーは、それを従来と同様の独自台帳として使えるようになります。
このように今日の環境では、マルチテナント機能は必須と言えます。
マルチテナント環境を管理されたいお客様がDCIMツールを検討される際は、この機能の有無に気を付ける必要があります。