パッケージソフトを使い業務の俊敏性と効率性を向上
新型コロナウイルスのパンデミックが奇しくもデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させているのは皆様も周知の事実です。 事実弊社でもテレワークが主体となりましたが、幸い弊社は歴史が浅かった為、また既にクラウドベースのパッケージソフトによる業務フローが実現できていたため、特に業務に支障もなくニューノーマルな働き方に順応することができています。 しかし、日本全体で見ると、実際には新型コロナは日本のITが世界的にかなり遅れていることをあぶりだした、と言われています。 よく言われる日本のITのガラパゴス化ですが、日本は海外に比べて委託開発ソフトウェア(スクラッチ開発ソフトウェア)の比率が異常に高いということがそのひとつの原因である、と総務省が発行した平成30年版 情報通信白書の【第3節:日米のICT投資の現状】では報告されています。 このレポートでは、日米の比較として、ICT投資に占めるソフトウェア投資の比率には大きな違いはないが、パッケージソフトウェアと委託開発ソフトウェアの比率を見ると、米国の委託開発ソフトウェアとパッケージソフトウェアの比率が、53.8%と46.2%となっている(米国商務省Webサイト2016年)のに対し、日本はなんと88.3%と11.7%と9割近くが委託開発ソフトウェアを使い、パッケージソフトウェアの利用が進んでいない事が分かります。 これは、日本企業が伝統的にSIerにIT業務を丸投げしてきたことや、国内ソフトウェア産業における多重下請け構造が原因であり、この構造がいわゆる日本のITガラパゴス化の一因になっていると言われています。
スピード感に劣りコストがかかる受託開発ソフトウェア
受託開発ソフトウェアは、一見良さそうに思えますが、ベンダ、ユーザ企業との間での要件定義が難航して開発や改修に時間がかかりがちなことや、アップデートや改修に多大な費用が発生する場合があり、相対的にパッケージソフトウェアよりも多くのコストがかかる可能性があるとレポートでは報告されています。 受託開発ソフトウェアは、また、自社独自のものとなるので、自社内にあるマニュアルを読みながら操作を習得していくしかなく、インターネットを探しても当然Tipsなどの情報は転がっていません。 似たような現象として、例えばMS ExcelやMS Accessなどをベースに社内の誰かが作った台帳システムを使っているという話もよく聞きます。これは外部ベンダーへの開発費用の支出が抑えられる反面、その担当者が退職したりした場合に、技術的なサポートが停止してしまうという大きなリスクをはらんでいます。 一方、パッケージソフトウェアは世界中の利用ユーザ―のフィードバックを受けて、常に進化しています。ユーザーは一定の利用料を支払っていれば、無限に最新の機能を使うことが出来ます。また、世界中に数多くのTipsが転がっています。 海外のデータセンターインフラ運用におけるパッケージDCIMソフトウェアの導入はかなり進んでいます。パッケージソフトウェアは柔軟性に欠けるなどという意見も聞きますが、最近の次世代DCIMは柔軟性や連携性を備え、それぞれのユーザ運用に合わせてカスタマイズが可能となっています。