DCOI(データセンター最適化イニシアチブ)とは?
今回は、少し以前の話題になりますが、あまり日本語での解説がなされていない米国政府におけるデータセンター効率化の取り組みについて解説します。
米国は日本よりも圧倒的にDCIMの導入が進んでいます。
理由は様々ありますが、その理由のひとつに、米国連邦政府が主導し、推進したデータセンター最適化イニシアチブ(DCOI)があります。
データセンターの効率性は非常に重要です。
そこで、アメリカ合衆国行政管理予算局(Office of Management and Budget:OMB)は2016年に「データセンター最適化イニシアチブ(Data Center Optimization Initiative : DCOI)」を開始し、全ての連邦データセンターに対し、2018 年末までにDCIMの導入を行うよう要求しました。
そして、エネルギー計測の拡大、PUEの低下、仮想化の推進、サーバーや設備の利用率の向上などコスト削減に向けでの進捗状況を四半期ごとに提出するよう求めました。
2016年に制定されたDCOI指令は以下のようなガイドラインでした。
- 電力計測:施設全体に対し、電力計測を100%実施すること
- PUE:PUEが1.5以下(既存設備)または1.4以下、推奨は1.2 (新規設備)
- 仮想化:仮想化サーバーと全てのOS合計の比率が1:4
- サーバー利用率:最低65%
- 設備利用率:稼動中サーバが設置されているラックがGFA(延べ床面積)の80%以上
そこで、各DCIMベンダーはDCOIダッシュボードなどをシステムに実装しDCOIの達成具合を可視化できるようにし、また容易にレポート提出ができるようにしました。
例:DCOIダッシュボード
このような政府主導の働きかけもあって、米国ではDCIMの利用は一般化し、そしてもちろん結果的に米国連邦データセンターの効率性向上につながりました。
このようにデータセンターの効率性指標を数値で可視化する取り組みは、非常に効果的に目標を達成できる近道になると思われます。これは一般の商用データセンターでも是非活用すべき重要な機能ではないでしょうか?