エッジデータセンターの運用で活躍するDCIM
エッジデータセンターとは何?
エッジデータセンターは皆様が普段使っている様々なクラウドサービスをより快適に利用できるように設けられる小規模なデータセンターです。
通常、人々がクラウドサービスを利用する際には、パソコンやスマホは巨大な中央データセンターに接続されます。
しかし近年、動画ストリーミングサービスなどに代表されるビッグデータのやり取りが増え、通信上の遅延(レイテンシー)は重大な懸念事項になってきています。そして昨年のコロナ禍による巣篭り需要がこのような動きを更に加速させました。(例:Zoomオンライン会議、ウーバーイーツ、など)
そこで、クラウドサービスプロバイダーは、サービスを利用するユーザにより快適なコンテンツを提供するために、エッジデータセンターという施設の構築を始めました。これはエッジコンピューティングとも呼ばれますが、簡単に言うと、データをサービス利用ユーザのできるだけ近い場所で処理させることで、遅延を抑え、ユーザ満足度を向上させる最新の動きです。
エッジデータセンターにおけるDCIMの役割
しかし、エッジデータセンターの管理には、特有の課題があります。
エッジデータセンターは、例えばコンテナであったり、あるいは小さな屋外専用キャビネットボックスであったり、非常に小規模な施設となります。数千~数万ラックに数万~数十万サーバーもある大規模な中央データセンターのように、人員を配置させることは管理コスト的に不可能です。
そこでエッジデータセンターでは一般のデータセンターとは違い、原則無人化運用が基本となります。「Lights-out」という完全自動化コンセプトがありますが、まさにそのコンセプトで運用設計を考える必要があります。
基本となるのはあらゆる情報をリモート監視し制御する事です。コンピューティングの要であるサーバーの状態監視、プロセス監視もありますが、そのサーバーを常に正常に稼働させるためのエッジデータセンター内の温湿度や電源などの環境状態の監視・制御も非常に重要です。監視カメラなどもあった方が良いでしょう。
数多くのエッジデータセンターをリモートで管理する場合に、いくつものリモート管理ツールを組み合わせると、データの可視性が損なわれる可能性があります。
そこで、データセンターインフラストラクチャ管理(DCIM)ソフトウェアは、データセンター管理者に対し、中央システムを提供します。中央システムでは、複数拠点にまたがる各エッジデータセンターの電力状態、温湿度状態、あるいは接続状態や資産リストまでを統合的に管理したり、リモート電源オフオン制御などもできます。管理者はどこからでもデータセンターの正常性やアラームを確認したり、正確に変更を加えることができます。
DCIMソフトウェアが持つリモート管理およびビジネスインテリジェンス機能は、エッジデータセンターの管理者に、可用性と稼働時間を維持しながら遅延を抑えるというゴールの達成を支援します。