DCIMツールでCO2排出量を可視化できることをご存じですか?
先日さくらインターネットから、電力調達をLNG(液化天然ガス)火力発電を主体とする電力会社に変更し、これにより同社の石狩データセンターの二酸化炭素(CO2)年間排出量を約4800トン削減できる、といった発表がありました。
このように国内のデータセンターでも徐々に脱炭素化に向けた取り組みが始まっています。(まだカーボンニュートラル化への道は険しいですが…)
そこで今回は、データセンターにおけるカーボンフットプリントをDCIMツールで可視化できる機能についてご紹介します。
カーボンフットプリントって何?
そもそもカーボンフットプリントとは何でしょう?
カーボンフットプリントとは、Carbon Footprint of Products(CFP)の略称で、商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算したもので、「CO2排出量」と言い換えられます。
データセンターの運用フェーズでは、電源・空調設備(UPSや分電盤など)やICT機器(サーバーやネットワーク機器など)が消費する電力が温室効果ガス排出の要因となります。
カーボンフットプリント(CO2排出量)の計算方法
データセンターにおける、1時間当たりのカーボンフットプリント(CO2排出量)は、電力使用量(kWh) × CO2排出係数で算出できます。尚、CO2排出係数(kg-CO2/kWh)とは、電気の供給1kWhあたり何kgのCO2を排出しているかを示す値です。
電気事業者が発電に使う燃料の違いにより排出係数は変わってきます。石炭(0.80)>石油(0.66)>液化天然ガス/LNG(0.43)の順で係数が小さくエコとなり、再生可能エネルギーでは係数は「ゼロ」とされます。
参考まで、環境省のサイトには電気事業者別排出係数一覧が掲載されています。よりCO2排出係数が小さな事業者を利用すると、必然的にCO2排出量は抑えられる計算となります。(※尚、表示単位はトン(t-CO2/kWh)で表されていますので、kg単位当たりの排出量(kg-CO2/kWh)とするには、1,000を掛けます)
Sunbird PowerIQでカーボンフットプリント(CO2排出量)を可視化
皆様あまりご存じではないかも知れませんが、Sunbird PowerIQでは、インテリジェントラックPDUや分岐回路に設置されたCTセンサーなどから収集した、刻一刻と変動する使用電力量に応じて、カーボンフットプリントを自動計算して可視化します。
計算式としては上記の通り単純なのですが、電力使用量ではなく、CO2排出量として可視化することで、サステナブルへの意識を更に高められるのではないでしょうか?
ちなみに、Sunbird PowerIQではその他にも「電気料金の表示」、「PUE値の表示」、「ASHRAE湿り空気線図上での温湿度表示」など、データセンターのサーバ―ルーム内の様々な電力や環境状態を総合的に可視化できる機能が揃っています。(※更にdcTrackと統合する事で資産管理・配線管理・キャパシティ管理・変更管理・分析など、完全なデータセンター運用管理を実現)
また弊社では、「GreenIT」をキーワードに、空調や電力設備面でもサステナブルな取り組みに繋がるソリューションを取り揃えています。
このようなツールや設備を活用し、効率化やコスト削減と共にデータセンターのグリーン化を目指していきましょう。