多様なキャパシティ管理機能を持つSunbird dcTrack。3つの活用シーンとその効果
データセンター(物理)インフラ運用において、「キャパシティ管理」は最も重要な機能のひとつとされています。
キャパシティ管理と聞いてどんなものかピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。そこで本題に入る前に、まずデータセンターインフラ運用におけるキャパシティ管理とはどういうものか説明します。
データセンターでは、変動する需要に応じてITサービスを安定的に提供する事が求められます。ではITサービスを提供する主役は何か?それはサーバーです。サーバーは需要が増えれば増設されます。そして一定のライフサイクルでリプレースされます。このように常に変動するサーバーたちが稼働する為に必要となる設備側リソース(例えば電源容量、設置スペース、ネットワークなど)を設備部門はすぐに提供できなければなりません。しかしそれは余裕をもって潤沢に提供すればよいというわけでもありません。CAPEXやデータセンター効率化の観点で、設備側リソースは「過不足なく」、「適切に」提供する事が重要です。そのためには、まず現在のリソース利用状況を把握したうえで、ITサービスが今求めるリソースを迅速に提供し、将来求めてくるリソース需要を予測し、事前に計画・配備して備えます。この事を「キャパシティ管理」と言います。
キャパシティ管理機能は電力管理・資産管理・配線管理の全てを持つDCIMツールでしか実現できない機能のひとつです。Excel台帳ではさすがにできませんよね?
Sunbird dcTrackのキャパシティ管理の活用シーンと効果
Sunbird dcTrackはその多彩な機能を活かし、様々なシーンでキャパシティ管理を活用できます。
以下では3つのシーンを例に簡単に紹介します。
シーンその1:今すぐの需要に対応する
今すぐにサーバーを設置したいニーズがあったとします。
このシーンでは「キャパシティ検索」機能を使います。キャパシティ検索条件に、設置したいサーバーのモデルをリストから選びます。すると選んだサーバーの電源ポートとネットワークポートがずらずらッと出てきます。それら一つ一つに対して、繋ぎたいか繋がなくてよいかを選びます。繋ぎたい場合はどんなモノに繋ぎたいかを選ぶだけです。例えば電源であればラックPDUなのか床下の電源ボックスなのか?、ネットワークであればネットワーク機器なのかパッチパネルなのか?の2択です。
条件を選んであとは検索ボタンを押すだけで、条件にマッチしたラックが一瞬で一覧表示されます。ちなみに条件はポートやソケットの形状、データレートや電源仕様なども全てしっかり判別されます。
シーンその2:直近の拡張の必要性を検討する
運用を続けていると、時にはキャパシティが予想を超えて消費されてしまうこともあるかと思います。そんな時に、全体の利用状況を直感的に把握できれば便利ですよね?
このシーンでは「ビジュアル」画面を使います。ビジュアル画面は常葉の通り、サーバールームのフロアマップが表示され、そこには各ラックが配列されています。
それぞれのラックの利用状況を知りたい時は、メニューからその項目を選ぶだけです。すると設定閾値に応じて緑・黄・赤でラックが色分け表示されるので、どのラックのリソースが少なくなっているかが直感的に把握できます。項目は5つまで選べます。2つ以上の項目を選んだ場合(例:「利用可能なU数」と「利用可能な電力」を選んだ場合)は、選んだ全ての項目でふるいに掛けられ、例えばすべての項目が緑の場合のみ緑のまま表示される仕組みです。
サーバールーム全体を素早く俯瞰して状況を確認するのに役に立ちますね。
そして、リソースの追加が必要かどうかを迅速に把握できます。
シーンその3:半年~1年先の拡張計画
最後は、もう少し長いスパンでのキャパシティ管理についてです。
このシーンでは「ダッシュボード」機能を使います。
dcTrackには100種類以上のダッシュボードが用意されています。その中で、「what-if分析」チャートは、将来のリソース予約状況も含めてのキャパシティを把握できます。また、折れ線グラフで各リソースの増減の傾向の把握もできます。将来の使用電力予測を示すチャート(注※PowerIQ)も用意されています。
そして多くのダッシュボードはExcelに出力でき、将来の拡張計画にこれらのデータを活用する事ができます。
以上、かなり駆け足でしたので、説明が少しわかりにくかったかもしれません。
もう少し説明をお聞きになられたい方は、実際のデモを交えて詳しく説明いたしますので、お気軽にお声がけください。