「データセンターの肥満」あなたのサイトは大丈夫ですか?
コロナ禍に伴う在宅勤務で、「コロナ太り」を気にされている方も多いのではないでしょうか?
私も、「コロナ太り」を防ぐために、意識的に運動をしたり、食事の栄養バランスを考えたり、毎日体重やBMIなどをチェックしたり気を付けています。
ということで今回は「データセンターの肥満」について考えたいと思います。
まず肥満の定義と肥満による悪影響についておさらいしましょう。
「肥満」とは、体重が多いだけではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態を言います。 肥満は、糖尿病や脂質異常症・高血圧症・心血管疾患などの生活習慣病をはじめとして数多くの疾患のもととなるため、健康づくりにおいて肥満の予防・対策は重要な位置づけを持ちます。
では「データセンターの肥満」とは、例えば「リソースがダブダブに余っている状態」を意味すると考えます。
(※ちなみに当ブログにおいては「データセンター」は自社データセンター設備(エンタープライズ・データセンター)、あるいはデータセンター設備事業者(コロケーター)といったデータセンター設備のことを指します)
リソースがダブダブに余っている状態とは、電源容量やスペースなどが必要以上に余っている状態を指します。スペースの空き状況はある程度目視で分かりますが、電源容量の使用状況や空きについては目に見えません。データセンターでは通常、各電源回路には電力計測センサーなどが取り付けられ、使用中の電力を知ることはできます。しかし、回路自身の容量をより無駄なく使っているか?といった注意はあまりなされていないのではないでしょうか?一般的にはデータセンターの電源リソースは容量が必要以上に余った状態で運用されてると思われます。
これは人間で例えると、例えばApple Watchで消費カロリー計算は確認できるけど、接種カロリーとの比較ができていないので、BMI値がついつい高めになってしまっている、ようするに「体脂肪が過剰に蓄積した状態=肥満」ということと同じだと言えます。
データセンター肥満はCAPEXの増加を招いている?
さて、「肥満は生活習慣病をはじめとする数多くの疾患のもととなる」ということですが、データセンターの肥満はどのような疾患(問題)を引き起こすのでしょうか?
短絡的に考えると、ITが要求するリソースが余剰に提供されていることは、例えば電源容量が足りずにブレーカートリップしてしまう心配も少なく、むしろ良い事のように思えます。しかし、本来は不要の設備追加投資(CAPEX)を知らず知らずのうちに加速させてしまっており、事業を長期的に考えると健全であるとは決して言えません。これはじわじわと企業体力を蝕む「隠れ肥満」の状態かもしれません。
データセンターの稼働状況が把握できていないとOPEXも増加する?
ちなみに「肥満」は自身の体のマネジメントが出来ていない事も原因の一つです。データセンター内の各設備の稼働・利用状況を正確に把握(=キャパシティ管理)できていないと、予期せぬ作業ミスも誘発してしまいます。仮に障害が起きなくても、作業ひとつひとつに余計な時間がかかってしまいかねませんよね?
ではどうすれば?
20年前はあまり問題にはなりませんでしたが、最近増えている電気をよく食べるデータセンターは、ダイエットをしっかり心掛けないとすぐに肥満になります。そこで、毎日電源容量と消費のバランスをチェックしつつ無駄のない運用を行ったり、データセンター内のあらゆる稼働・利用状況をマネージメントすることで、データセンターはより筋肉質で健康な状態になります。
具体的な手法はいくつかあり、ここでは解説しませんが、やはり、稼働・利用状況の把握や更に一歩進んだ機械学習による分析はDCIMツールの得意とするところであり、必ず必要となります。
ひとつの手法を以下のブログで解説していますので、よろしければご覧ください。
低リスクで運用・設備コストの大幅削減をもたらすSunbird DCIMのオートパワーバジェット機能
CAPEXやOPEXの抑制、可用性を高めることで、データセンターの健康状態を維持することは、相対評価の向上にもつながります。DCIMはコストを抑えデータセンターの効率性を上げるだけでなく、データセンター自体の価値も向上させるのです。
データセンターインフラ運用課題解決に向けたご相談は、DCIMのスペシャリストである弊社までご相談ください。
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