【DC運用ユースケース】データセンターの監視業務(NOC、中央監視、+α)
一般にデータセンターには、ネットワークオペレーションセンター(NOC:ノック)と中央監視センターと呼ばれる監視センターが存在します。
ネットワークオペレーションセンター(NOC)とは、一般にIT通信インフラを常に健全な状態に維持する目的で、ネットワーク機器やサーバーなどの監視・管理・運用を行うために設けられた施設の事を意味します。
これらの監視業務では、NMSなどといったツールが一般に使われます。
一方、中央監視センターは、ビル全体の各設備を集中管理するための施設です。これは国内では建築基準法及び建築基準法施行令の規定により、一定の規模を超えるビルでの設置が義務づけられています。中央監視センターでは電源設備や空調設備などに代表される重要建築設備の監視や遠隔操作が行われたり、来訪者の受付けや、あるいは防犯カメラによる監視業務も行われます。
これらの監視業務では、BMS(ビル管理システム)あるいはBAS(ビルオートメーションシステム)、あるいは「中央監視システム」と呼ばれるツールが一般に使われます。
それで十分ですか?
これらの2つの監視システムのお陰で、データセンターのビル設備、及びネットワークインフラは常に最適な状態を維持する事が出来ています。
しかしデータセンターという観点で見た場合、ここで注意すべきは、ビル監視(ビル設備)とネットワーク監視(IT設備)の間に抜けている監視領域が存在することです。中央監視センターではビル全体を監視しますが、例えばサーバールーム内の熱だまりの監視や、各ラックの電源容量の監視などといった細かいレベルの監視は一般には行われません。そこでその谷間を埋める監視システムが必要になります。
例えばSunbird Software社のPower IQのダッシュボードでは、図のようにアメリカ暖房冷凍空調学会(ASHRAE)がDC推奨温湿度条件として定めるガイドラインに各ラックの温湿度状態が適合しているかを可視化するASHRAEチャート表示であったり、各ラックの電力利用状態を示すトレンドチャートであったり、あるいはラック単位でのアラーム通知、そしてそれらを総合してオペレーターにわかりやすく通知する「ヘルスタイル」など、主にラックを中心とした設備周りのトータル監視を受け持ちます。
このおかげで、例えばネットワークやサーバー監視で何らかの障害が発生した場合、中央監視システムだけでは把握しきれなかった部分の情報をオペレーターは手に入れることが出来、トラブルシュートをより円滑に進めることが出来るようになったり、あるいは障害を未然に防ぐことも可能になります。