企業システムの問題点について考える ~データセンターのリソース計画

K-Iwasaki

先日の『「ソリューション」について考える』と題したブログでは、結論として”問題をいかに顕在化させるかが、ソリューションを最大化させるうえで非常に重要である”と書きました。

今回は、企業システムにおける問題点について考えて見ます。

企業システムは、

  • 販売システム
  • 購買システム
  • 生産システム
  • 物流システム
  • 会計システム

などで構成されているのが一般的であると想定されます。

これらを一つの思想(DB:データベース)でまとめたものがERP(Enterprise Resources Planning:企業資源計画)と言われています。ERPで業務を行う会社は増加していますが、依然として個別システムで行っている会社もまだまだ多いと想定されます。

では個別システムはダメかというと、そうとも言い切れません。各個別システム間の連携を行う場合、リアルタイムではなくバッチ処理による連携でも問題ないケースは多々あります。

在庫管理はリアルタイム性が求められる

リアルタイム追及が必要な情報は、もちろんリアルが良いと思いますが、総てがリアルである必要も無いのが現実です。ERPでも大半は会計連動はバッチ処理となっています。
しかし、リアルタイム性が追及されるのは、わかりやすい事例だと物流システムがあげられます。いわゆる在庫管理においては、有効在庫数を把握できなくては、引当が出来ないので納期を回答することが出来なくなります。
昨今では、3PL(サードパーティロジスティック)の会社が肩代わりしてくれるようにもなっていますので、自社での在庫管理は減っているとは思いますが、製品商品ではなく仕掛品や原材料に関しては、社内システムでの対応となるので、難しい状況だと推察されます。

同じ事は現代のデータセンター運用にも言えます。データセンターにおける「在庫」と言えば、例えばサービスを維持する為のコンピューティングリソースであったりします。そしてそのコンピューティングリソースを適正に稼働させるために必要となるデータセンターの設備リソースも然りです。データセンターの設備リソースには、「電源容量」、「ネットワーク帯域と物理インターフェース」、「機器を収容するラックスペース」などが挙げられます。(リソースとは少し意味合いが違いますが「機器を正常に稼働させるための適正は温湿度環境」の維持をするための冷却リソースも重要ですね)

これらデータセンターインフラ周りの各在庫(=リソース)が枯渇すると、サービスを維持することが出来なくなったり、新規の入居希望テナントへの在庫引き当てが出来なくなり、結果機会損失に繋がったり、障害による信頼失墜にもつながるかもしれません。
しかし、物流システムであろうとデータセンターシステムであろうと、過剰在庫を持てば良いというものでもありません。

 ここで重要なのは、どの情報(=在庫、リソースとも言えます)が必要なのか、どのタイミングで欲しいのか等が明確になっているか?という事です。
システムはツールです。ハードは情報を処理し保存する器です。こう考えるとシステムやハードをどう使うべきなのかが見えてくるかと思います。道具を健全に使いこなせば良いのですが実務とはずれたシステムを入れると過負荷になり、ブーイングが起きます。この繰り返しが、現在のレガシーシステムと言えます。

では、どうするか?

ひとつのキーワードは 「検索」であると考えます。事務処理の大半は検索時間であるとも言えます。これを前提に検索時間をミニマム化すれば事務生産性は向上します。検索時間をミニマム化するためにはデータはワンシステムに集約されているべきです。
弊社が提供する最新のDCIMツールでは、電気・ネットワーク・スペースそして空調環境などデータセンター設備インフラ周りの全てを動的に管理し、横断的な検索で迅速にリソース状態を知ることが出来ます。(これは、データセンター運用で最もキーとなる「キャパシティ管理」です)コンピューティングリソースの把握は例えばESXiなどで行われている場合、それとの連携も行えます。

最新のDCIMは「データセンターにおけるリソース・プランニング・ツール(DRP)」と言い換えることもできます。

(共著:M.M氏)


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