データセンターの持続可能性(サステナビリティ)の推進に向けてのヒント
データセンターの持続可能性(サステナビリティ)とは、データセンター全体におけるエネルギー効率と環境への配慮を指します。AI、機械学習、ビッグデータ、IoTなどの新しいテクノロジーの需要への対応に伴いコンピューティング能力の拡大が続く中、データセンターでのサステナビリティの重要性は著しく高まっています。
では、データセンターでサステナビリティを実現していくにはどうすれば良いのでしょうか?当ブログでは、そのヒントについて紹介してみたいと思います。
データセンターの持続可能性(サステナビリティ)を測る指標
データセンターの持続可能性(サステナビリティ)を測るには、いくつかの効率性指標を把握する事から始まります。データセンターの効率性を把握するために使用される代表的な指標には次のようなものがあります。
- Air Economizer Utilization Factor(エア・エコノマイザー利用率):外気をフリークーリングに使用する頻度を測定
- Air Flow Efficiency:給気から還気のエアフロー効率を測定
- Cabinets Compliant with ASHRAE Standards:各ラック周辺環境がASHRAE(アメリカ暖房冷凍空調学会)が示す理想的な環境条件にどれだけ近づけているかを測定
- Carbon Usage Effectiveness(CUE:二酸化炭素使用効率性):データセンター全体の持続可能性を測定
- CO2排出量:二酸化炭素排出量を測定
- Delta-T Per Cabinet(キャビネット毎のデルタT):機器の冷却のエアフロー効率を測定
- Green Energy Coefficient(GEC:グリーンエネルギー係数):オンサイトで生成された再生可能エネルギー量を測定
- Power Usage Effectiveness(PUE:電力使用効率):エネルギー効率を測定(データセンター全体の消費電力÷IT機器による消費電力)
- Water Economizer Utilization Factor:間接水冷の使用頻度を測定
- Water Usage Effectiveness(WUE:水使用効率):データセンター内での水の使用効率を測定
まず、上記の各指標を把握してみましょう。次に弾き出された数値を推奨値、市場平均値と比較することで目標が明確化します。わかりやすい例として「PUE」ではGreen Gridでは、「1.5=効率的」、「1.2=非常に効率的」などと定義されています。他の各指標についても同様調べてみてください。
参考までにサステナビリティ指標トップ30(英語)についてもご参照ください。
データセンターの持続可能性(サステナビリティ)を推進する方法
カーボンフットプリント(CO2排出量)の削減は、今やあらゆる組織の果たすべき責任です。今後は、いかなるデータセンターも、効率性を高め、運用コストを削減し、持続可能性への取り組みを遵守していかなければなりません。
これを実現するために、業界のリーディング企業はDCIMソフトウェアを導入し、活用しています。最新のDCIMソフトウェアでは上記で述べた効率性指標を自動で計測し、ユーザーに分かりやすく表示し、効率性を高めるための貴重なデータを提供します。
- エネルギー消費量(電力量)の測定
- PUEなどデータセンターの各KPIのリアルタイムチャートやレポート
- 顧客向け請求書を作成し、エネルギー効率の高い行動を促す
- 過冷却よるエネルギーの無駄遣いを抑制
- より効率的な機器に交換するための、電力を大量に消費している機器の特定
- データセンター物理インフラの効率を最適化できるような設計支援
- インテリジェントな各リソースの統合と仮想化
原文(Sunbird Software用語集:Data Center Sustainability)をDC ASIAにて抄訳及び追記