コロケーション・データセンターにDCIMを導入する意味とは?
クラウド全盛の時代でも堅調に成長を続けているコロケーション市場。先日Data Center Caféに掲載した記事によると、クラウドのアーリーアダプターがクラウドからコロケーションに回帰しているという動きもあるようです。
さて、そこで今回、Sunbird Software社から発行されたアプリケーションノート「コロケーションサービスプロバイダー向けDCIM」を和訳しアップさせていただきました。
「DCIMとBMS(中央監視)/BEMSとの違いは何?」という質問もしばしば聞かれるように、特にコロケーションやハウジング事業を主に展開されているデータセンター事業者の皆様にとってのDCIMの存在というのは、従来から少し中途半端な存在として映っていたのかもしれません。
その理由のひとつは、コロケーションやハウジング事業を主に展開されているデータセンター事業者は一般的に、「テナントが借りるラック内部の情報管理については関与しない」というスタンスがあったからではないかと考えております。
一方で、ラックを借りるテナント企業は自身でラック内機器の台帳管理をしたり、あるいはラック内にインテリジェントPDUを取り付けて自分達でラック内の電力使用量を計測する企業もいたりしました。
本来DCIMとは「ラックを中心とした管理」を行うツールであり、可用性担保を主な目的とするBMSに対し、データセンターの利用ユーザーが、運用効率の向上や設備リソースの利用効率化を目指し利用するツールです。
そこで、従来はデータセンター事業者が管理する領域(ラックまでの設備)とテナントユーザーが管理する領域(ラック内の機器)のそれぞれが個別に管理していた領域を一つに纏めて管理をすれば、双方にとってメリットが生まれるかもしれません。
理想的にはBMSとDCIMが必要な部分でデータ連携し、DCIMのユーザーインターフェースをテナントユーザーに公開することで、コロケーションデータセンターのユーザーに対する利便性や付加価値を高めつつ、ユーザーがDCIMを参考に設備リソースの利用最適化を推し進めていけるようになれば、データセンター全体としてのサステナビリティ向上にも繋がります。
「コロケーションサービスプロバイダー向けDCIM」を今後ひとつのオプションとして考えていくのも面白いかもしれません。