データセンターの脱炭素化を支援するDCIMの機能(デルタT編)

K-Iwasaki

データセンターの空調にかかるエネルギーとそのコストは、全体のおよそ半数近くと言われており、コスト削減と共に脱炭素化、SDGsが求められる今、無駄のないより効率的な冷却を行っていくことは全てのデータセンター企業にとっての最も大きなチャレンジの一つであるといえます。そこで冷却効率化を目指して各データセンターでは様々な取り組みが行われています。

その中のひとつとして、「冷却吸排気温度差(ΔT : 「デルタT、デルタティー」と読みます)」という指標を活用した手法があります。デルタTとは、簡単に言うとIT機器の吸気側と廃棄側の温度差を示す指標であり、「サーバの排気温度」-「サーバの吸気温度」で求められます。

一方、IT機器は消費電力(kW)に応じて発熱量が変化します。IT機器自体を適切な温度にまで下げるためには、IT機器が吸い込む必要量のエアフロー(風量)が必要となります。その風量の計算に使われるのが、デルタTという指標です。
詳しい解説と実際の計算式はこちらに詳しく解説されていますのでご覧いただきたいのですが、この計算に基づき算出された必要風量を過不足なく与えることで、データセンター内での過冷却を抑え、より効率的な冷却を実現できるようになります。尚、通常、サーバのデルタTは10〜15℃程度と言われています。

最新のデルタTや関連情報を一目で確認

デルタTを求めるには、ラックの吸気側及び排気側にそれぞれ温度センサーを取り付け計測する必要があります。次にその計測データを継続的に追跡し、多忙な担当者に対しデルタTを一目で確認できるようにしてあげれば便利です。そしてこのデータをもとに冷却効率向上に役立てることが出来るようになります。

例えば弊社取り扱いDCIMソフトウェアの一つであるSunbird dcTrackでは、ユーザーが特にソフトウェア側での設定を行うことなく、ラック毎のデルタTをわかりやすいグラフで表示してくれるダッシュボードウィジェットが標準で備わっています。

更に、ラックの吸気温度表示やASHRAEチャートなど、関連するウィジェットも多数用意されていますので、それらを横断的に確認することで、よりリスクの低い適切なアクションを促せると考えます。このようにDCIMは、省エネ化・脱炭素化と共に可用性の維持も支援できるよう設計されています。


Sunbird Software社のDCIM製品「dcTrack」「Power IQ」の製品ページはこちら
Sunbird DCIMの様々なメリットは過去ブログでご覧ください
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