サーバールーム内のラックのキャパシティ検索の仕組み
DCIMツールが提供する重要な機能のひとつに「キャパシティ検索」があると先日のブログでお話ししました。
とはいえ、「キャパシティ検索って何?」、「具体的にどんなことが検索できるの?」、「どんなメリットがあるの?」…等々、よくわからないという方は多いのではないかと思います。
そこで今回は、弊社取り扱いDCIMソフトウェアのひとつであるSunbird dcTrackの機能を題材に「各ラックのキャパシティ検索の仕組み」を解説したいと思います。
機能の解説に入る前に、キャパシティ検索の重要性について簡単に説明します。サーバールームでは当初設計され、導入されたインフラ設備の上に、サーバーなどの様々なIT機器が設置され稼働していますが、これは常に一定の状態であったりするわけではありません。増設・移設・撤去が繰り返され、あるいは日々変動するサーバー負荷など、IT機器が要求する設備リソース容量は杖に変動しています。設備リソース容量には、ラックユニットのスペース、電源、ネットワーク、など多岐にわたります。
それらを最新の稼働状況を元に横断的に、また瞬時に検索できることで、運用の省力化と設備の利用効率を同時に高めることが出来るのです。逆に言うと、DCIMのキャパシティ検索が無いと、多大な工数をかけ、設備の無駄な利用に繋がる恐れがあるのです。
キャパシティ検索の項目
それでは、キャパシティ検索ではどのような項目を見るのかについて説明します。
まず大項目としては、先ほど挙げさせていただきました、スペース、電源、ネットワークの3つとなります。
スペース要件では、機器がラックに搭載可能かどうかの連続空きユニット数を見ます。
次に電源要件では、搭載予定のIT機器が必要とする電力に対し、ラック側の容量が十分足りているか?をまず見ますが、これだけでは不十分です。IT機器が要求する電圧要件であったり、ソケットの形状も合致しないと実際に設置することはできません。もちろんすべての要件を満たす電源ソケットの空きがあることも確認しなければなりません。Sunbird dcTrackでは、キャパシティ検索時に、ユーザーが機器の電源を「ラックPDUに繋ぎたいのか?」あるいは「フロア電源ボックスに繋ぎたいのか?」あるいは電源は繋がずラックマウントだけにするのかを選択でき、それに応じて条件から絞込が行われます。
ネットワーク要件も電源要件と同様に、詳細の属性までが検索条件項目となります。
例えば、コネクタ形状、メディアタイプ、プロトコル、データレート、VLANなどです。
これらの項目の要件を全て満たさないと一見ポートの空きがあっても条件からは除外されます。
このように、厳密な条件を元にキャパシティ検索を行うことで、いざスタッフが現場に行って作業を始めてもトラブルなくスムーズに作業を終えることが出来るようになります。