中小規模サーバールームのITインフラ管理にもDCIMツールの導入を
一般的にDCIMソフトウェアは大規模データセンター向けのツールであると考えられているかと思います。
しかし実は中小規模の環境、例えば数ラックしかない自社内サーバールームの管理でもしっかり活用できるのです。ここでは実際に筆者自身の経験と、そして過去導入いただいたお客様の声を元にそのポイントを解説いたします。
中小規模のITインフラの管理は2~3名の最小チームメンバーか、あるいは一人のケースがほとんどかと思います。その少ない体制で企業内のあらゆるITインフラを管理しなければならず、日々多忙を極めているのではないでしょうか?
IT管理者、情シス担当者の業務は、ネットワーク、サーバーの管理から各アプリケーションの管理が主だったところでしょう。筆者自身が過去情シス担当を経験していた頃を思い出すと、ITインフラ管理においては次のような項目を管理していました。
- 論理システム構成図(Visio)
- IPアドレス管理(Excel)
- サーバー・ネットワーク機器等の資産管理台帳(Excel)
- ラック立面図(Excel)
- 各種ログイン情報(Excel)
また、各IT機器の死活監視としてフリーの死活監視ツールを仕込んで、万が一の際にリモートログインできるような環境を構築していました。あとは「おんどとり」のデータロガーを仕込んでいました。
中小規模のサーバールームでも温湿度監視は重要
さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからは私自身の経験とお客様からの声に共通しますが、中小規模環境にも最低限の物理インフラ監視を持たせておいた方が良いというお話です。
中小規模のサーバールームの多くは自社オフィス内の一角に設けられています。空調設備も一般家庭向けに毛が生えた程度の簡易的なものだっであったりします。これはそもそも空調能力自体が十分でなかったり、もともとが部屋全体を冷却するものなので、サーバーの吸気箇所に集中的に冷気を送ることはできません。
よって、特に高温多湿の日本の夏の時期にはなんらかの不具合が起きてもおかしくない状況です。
実際に夏場にはしばしばサーバーの不具合や故障が発生し、障害が発生してから対応をする事で、ユーザーにダウンタイムの迷惑をかけていました。私の経験ではデータバックアップも取っていたため最悪の事態は免れましたが、高温多湿に弱いHDDのデータが飛んでしまうと非常に深刻です。
お客様も同様の懸念を抱えられており、事前に温度上昇を把握し、障害を未然に防ぎたいということで、温湿度センサーとそれらを管理するDCIMソフトウェア「Power IQ」を導入いただきました。Power IQでは、設定閾値を超えたタイミングで事前にアラームをメールで通知してくれるのはもちろん、独自のASHRAEチャート機能により、常にIT機器が最適な温湿度環境にあるかどうかを容易に把握できる機能を持っています。これは更に、冷やしすぎ(過冷却)がないか?の確認もできるので、省電力にも役立てることが出来ます。
昨年2月にAWS東京リージョン「AP-NORTHEAST-1」で発生した障害も、冷却システムの電源損失に伴い、サーバールーム内の一区画の温度が上昇したことが原因となっており、サーバールーム内の温度管理は大商規模にかかわらず重要です。
もし同じような経験やお悩みをお抱えの情シス担当者の方がいらっしゃいましたら、一度環境監視がしっかりできるDCIMツールをご検討いただくことをお勧めします。
今回ご紹介したSunbird Softwareの「Power IQ」の製品ページはこちら
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