今後のデータセンター運用にますますDCIMが必要となる3つの理由

K-Iwasaki

データセンターを取り巻く状況は10年前、いや数年前と比べても大きく変化してきています。
変化が目まぐるしいデータセンター業界では過去の常識が今は「非常識」になっていることはいくつもあります。

サーバーを始めとしたITハードウェアの高性能化・高密度化、あるいは冷却テクノロジーの進化や効率的な冷却方式の採用など、物理面では近年かなりの進化があったように感じます。
一方、それに比べるとデータセンター運用の分野は比較的変化が緩やかでした。2010年以降に始まったDCIMの第1次ブームもありましたが、結果業界全体の運用をドラスティックに変える事はできず、今でも20~30年前と変わらないExcel台帳管理ベースと簡易的な監視ツールを組み合わせて運用を行っている企業は多く存在します。

しかし、去年から今年にかけて、この流れが大きく変わらざるを得なくなるような、いくつかの重要な課題がクローズアップされました。もはやこれらの課題にしっかり対応していくためにはDCIMはいよいよ欠かせないものとなってきたようです。

ではその課題とは何か?ということで、今後のデータセンター運用にますますDCIMが必要となる3つの理由について解説していきます。

データセンターインフラの大規模化・複雑化

ここで今更語るまでもないですが、データセンターの膨張は年々続いています。しかも昨年から始まったCovid-19のパンデミック以降、商売・消費活動がフィジカルからバーチャルに一気に移行したり、ビジネスや教育の場でも対面からリモートに変わったりしました。そしてこれら全てはデータセンターインフラを介して実現されるものであり、もともと成長を続けていたデータセンター市場を更に加熱させる結果となりました。

この空前のデータセンターブームの中、例えば不動産業界などの異業界からもデータセンター市場への進出が既に始まっています。ここ日本でも昨年以降、国内外の様々な企業によるデータセンター新設ラッシュが続いています。

同時に、テクノロジーの発達もあり、データセンターの利用ユーザーは、各システムの性質やビジネスの目的などに応じて、クラウドやオンプレのデータセンターをうまく使い分けるようになってきました。このようなハイブリッドなデータセンターインフラ運用は一般化していくのではないでしょうか?

このように大規模化や複雑化が進むデータセンターのITインフラ管理はますます困難になってきています。各社それに対応する統合管理ツールを提供していますが、DCIMではそのインフラを支える土台となる物理インフラ全体を統合的に管理します。

省エネ・脱炭素化

昨年以降、日本政府の経済産業省や総務省などでも今後のデータセンターのあり方についての有識者会合が活発に進められるようになってきています。その中での最も大きなテーマとして挙げられるのがデータセンターでの「省エネ・脱炭素化」です。昨年4月に当時の菅首相も、首脳サミットの席で「2030年度で温室効果ガスの46%削減を目指す」と発言しましたが、世界的に地球温暖化への対策は急務となっています。

データセンターにおいての「省エネ・脱炭素化」への取り組みとしては二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーである再生可能エネルギーの採用加速などもありますが、一方でデータセンターの電力利用効率を高め、エネルギーの浪費を防いでいくことも重要です。

そこでこの対策に大活躍するのがDCIMです。DCIMは主にデータセンター内のサーバールームにおける重要な効率化指標を可視化し、電力使用効率を高めるための具体的アクションをユーザーに促します。
効率化指標とは、PUE(電力使用効率)を始め、CO2排出量を示すCO2フットプリントチャート、あるいは仮想化率やサーバー稼働率など、もともと米国政府が2016年にデータセンター最適化を目指し発行したDCOI(Data Center Optimization Initiative:データセンター最適化イニシアチブ)に準拠する指標なども含まれています。
更に、単に指標をグラフで可視化するだけではなく、「余剰電力」を可視化したり、ゾンビ(ゴースト)サーバーを抽出したり、あるいは、デルタTの可視化リアルタイムASHRAEチャートによる過冷却の可視化などを活用する事で、サーバールーム内の使用電力効率化、すなわち脱炭素化を推進します。

人材不足による運用の破綻問題

データセンター市場は拡大が続いていますが、それを支える人材、エンジニア不足はますます深刻になってきています。特に最近では外資データセンター企業のサイト拡大や国内進出も増え、優秀なエンジニアが待遇の良い外資企業にどんどん流出するといった動きもあり、特に国内企業にとってはさらに深刻な課題となっているようです。

そんな中、四半世紀も前の昔ながらの手作業によるExcel台帳管理を行っていても大丈夫でしょうか?データ入力の省力化や可視化を大きく向上させるDCIMを導入しない理由は見当たりません。DCIMはまた、Covid-19のパンデミックに伴うリモート運用にも対応するウェブベースのシステムを選ぶ必要がありますが、このようにデータセンター運用も最新の働き方にしっかり対応し、省力化を進めていく必要があります。

最後に

最後にもうひとつ、データセンター事業を生業とされていらっしゃる企業にとっては、省電力による設備コスト圧縮や省力化による人的コスト圧縮と共に、各社ともサービスの拡充や差別化を図っていかなくては競争に生き残れなくなるかもしれません。DCIMツールをフル活用することで、これらの課題を全てクリアしていけると考えます。


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