【DCIM FAQシリーズ12】棚板置きの小型機器はラック搭載図で管理できますか?
機器のラック搭載図を管理するのは、データセンターの物理ITインフラ管理において重要なものの一つです。
実際、ラック内には様々な機器が搭載されています。多くは19インチ規格に沿ったもので、1UからxUまで19インチラックにマウントできます。しかし、ONUや小型ルーターなどのように、ラックマウントができず、棚板の上に置かなくてはならない機器も存在します。
データセンターの物理インフラ管理を管理するDCIMツールでこのような機器の管理ができないと少し不便ですね。
しかしご安心ください。弊社取り扱いの各社DCIMツールは全て棚板置き小型デバイスの登録をサポートしています。しかし各社それぞれ表示の仕方などが微妙に異なります。
では、各社ツールの対応状況の違いを簡単にご紹介したいと思います。
Commscope iTRACS
まずこの機能においては最も自由度が高い「iTRACS」では棚置き機器の登録については全く問題ありません。しかも実際の設置場所と全く同じ位置に配置することができ、現場の状況を完全にバーチャルリアリティのような感じで表現できます。
ただ、ここまで精密であるが故、この配置一つを調整するのは簡単ではありません。操作方法をマスターすればそんなに難しくはないかもしれませんが、マウスを駆使してXYZ軸の位置を合わせながら機器を配置する操作が求められます。
このようにiTRACSは万人にとって扱いやすいツールではなく、操作の複雑さを受け入れていただけるマニア受け、玄人向けツールであると言えます。
Sunbird dcTrack
次にSunbird dcTrackですが、こちらはiTRACSとは逆の万人にとって扱いやすい操作が特徴のソフトウェアです。もちろん棚置きの機器の登録もしっかりサポートしてくれています。
棚置き機器を登録するのは通常のラックマウント機器を登録する手順と同じです。違いは同一ラックユニット(RU)に複数登録するのに左から見た「並び順」の番号を選ぶだけです。
2Dラック立面図の表示は、例えば左図のように2台のONUが横並びで配置されているように表現されます。もちろん2台以上の場合も登録は問題ありません。ちなみにこの2Dラック立面図は画像イメージに切り替えて表示させることもできます。
3D表示についても正確な幅・奥行・高さの寸法で表示されます。
Schneider Electric Struxureware Data Center Operation
Schneider Electric Struxureware Data Center Operation(DCO)では、棚置き機器を配置するには棚板(Shelf)をまず配置する必要があります。棚板を設置しないと小型機器を配置する事はできません。この点は現場の状況に忠実に設計されています。
DCOでの表示は幅・奥行・高さの寸法は正確ですが、画像表示ではなくシンプルな2D/3Dボックス形状での表示となっています。
デンソー garmit
デンソー社のgarmitでも同様対応しています。一般的にはラックマウントできない小型機器が棚板上に置かれるイメージですが、garmitでは仮にラックマウント機器でも同一ユニット位置に複数台登録できる仕様となっています。これは棚板置き小型デバイス以外にも前・背面にラックマウントされるケースも想定されての機能のようです。このようにgarmitでは自由度の高い柔軟な機能を提供していますが、反面ユーザーが誤って入力しないように気を付ける必要があります。
ラック立面図上での表示については、図のように複数のデバイスが個別に表示されるのではなく、いずれかひとつのデバイスが表示され、その右側に例えば「③」と合計の台数が表示される形です。表示を切り替える場合はユニット選択メニューからデバイスを選択する必要があります。
細かい部分ではありますが、各社の棚板置き小型デバイスのラック搭載位置管理ができるできないだけでもツールの使い勝手は大きく変わります。
製品をご検討される際にはこのような機能についても知っておくと良いでしょう。
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