「DCIMの導入は大変?」いいえ。でもExcel台帳のクレンジングは大変です
皆さんがDCIMの導入に躊躇される一つの理由に、「導入がすごく大変なのではないか?」という懸念です。
その「大変さ」を感じる大部分は、主に既存施設の資産管理台帳をDCIMに移行する手間であるようです。
ちなみに新規のデータセンターを立ち上げる際に導入する場合は導入は非常にスムーズに行えますので、全く問題はありません。それは何もないまっさらな状態から、確実にコントロールしながらデータを登録できるからです。機器の配置や配線も導入初期はある程度整然とした形で行われることもその一因です。ちなみにアセットデータの登録はGUIを使ってひとつひとつ手入力もできますが、大規模な構築プロジェクトでは一般的にExcelやCSVに一旦登録データを纏めて、それを一気にDCIMに流し込む手法を使います。
Excel・CSVデータさえあれば、アセットデータを流し込むのは造作もない事です。データのインポート処理時間だけを見ると、数千件のデータなど数分もかからずあっという間に終わります。
要するに、本質的な部分では、データの登録なんて大変でもなんでもないのです。「DCIMは導入が大変である」というのはDCIMの性能の問題ではないのです。
しかし実際には、既存データセンター環境におけるアセットデータの登録は簡単・迅速には行えない事が多いです。
あっという間に終わるはずのデータ登録がなぜ簡単・迅速に行えないのか?その原因はお客様の既存のExcel台帳の問題なのです。
Excelを使った台帳管理では、データのダブり、データの欠落、複数シート・ファイル間のデータの不整合、マスタデータ不在に起因する表記ゆれなどの複合的な問題を抱えています。このような不完全なデータのままインポートしてはいけませんし、インポートしようとしてもDCIM側がエラーを通知してインポート自体が出来ないこともあります。
例えば、一意であるべきシリアル番号などがダブっているとそれを具体的に教えてくれて、インポートは拒否されます。
そこで、データをDCIMにインポートする前に、データの精度を「ある程度」のレベルに高める必要があります。欠落データも調査して追記する必要もあります。「導入が大変」な根本原因はここにあるのです。
DCIM導入の隠れたもうひとつのメリットとは!?
しかし、ご安心ください。最新のDCIMではこのような問題も軽減してくれるよう設計されています。
Sunbird dcTrackでは、インポート処理を行う各ステップで、名寄せやデータのクレンジングを行ってくれ、表記ゆれを修正・統一するよう候補を提示してくれたり、ダブりデータは拒否したりと、より確実なデータのみをDCIM内に取り込むようなインテリジェントな機能が含まれています。
とはいえ、それでもデータ不整合などの問題が解決できなかったアイテムは、データインポートできずに残ってしまいます。最後にこれらを現場調査などをしながら正確なデータへとExcelを修正していくわけです。
DCIMがもたらすメリットは他のブログでも紹介しているように多岐にわたります。しかし、DCIMを導入する段階で、ぐちゃぐちゃであったExcel台帳のデータが統一データベースに整理整頓される事自体が、実は隠れたもうひとつのメリットと言えるのではないでしょうか?
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