2025年まで残り2年半。日本企業のデジタル化は進んでいくのか?
先日からニュースで話題になっている誤送金問題で、山口県阿武町が振込みデータの受け渡しにフロッピーディスク(FD)を使っていたという事実に衝撃を受けました。
既に何十年も前に姿を消していたと思っていたフロッピーディスクは、阿武町だけではなく、中央官庁でもいまだに使われているようですね。今の時代スマホの写真1枚すら記録できない処理の遅いメディアを使い続ける理由がどこにあるのか?と不思議でなりません。
日本ではDX(デジタル変革)がなかなか進まないと言われて久しいですが、その最たる例がお役所のようです。今回の誤送金事件ではたまたまフロッピーディスクが注目されましたが、メールよりFAX、紙とハンコ、など前時代的な業務はおそらく30年程度変わらず続いているようです。また、2022年6月16日にいよいよ迫ったInternet Explorer(IE)のサポート終了ですが、IEをいまだに使い続けている企業も多いと聞きます。
IT関連企業においては、さすがにフロッピーやIEなどは使われていないでしょう、そしてもっと近代的なIT環境であると思いますが、それでもレガシーなIT運用をいまだに続けられている企業は多いようです。
なぜ日本のDXは進まない?
なぜメディア各所で繰り返し警告が叫ばれているにもかかわらず、なぜ日本企業はレガシーシステムからの脱却ができず、DXが進まないのでしょうか?
原因は複合的であると考えます。波風が立たない前例踏襲を良しとする風潮、戦略的な投資より貯蓄を好む国民性、チャレンジをして失敗したものが叩かれる風潮、ITに疎いトップ、DXを活用した経営戦略の欠如、などの要因が重なりズルズルと時間だけが過ぎているように思えます。肥大化し複雑化したレガシーでガラパゴスな「独自システム」の再構築の難しさも企業のDXを阻害するひとつの要因のようです。
結果、気が付くと日本はデジタルの分野では世界(欧米や中国、アジア諸国)に遅れ、それが日本全体の経済成長を妨げる要因にもなってきているようです。
経済産業省が報告した「2025年の崖」問題では、レガシーシステムを使い続ける事で、2025年以降毎年12兆円もの経済損失が生じると試算していました。2025年まであと2年半ですが、私個人の感じるところでは、既に日本は崖を転がり始めているように見えています。
笑うに笑えない、あまりにお粗末な今回のフロッピーディスク騒動を他人事と思わず、各社で残るレガシーなIT運用部分にメスを入れてみることをお勧めします。そのうえで、明確なビジョンを持って、戦略的なIT投資をしていくべきであると考えます。
参考記事:DXを実現できないと転落する「2025年の崖」とは?政府の恐れる巨額の経済損失
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