「DCIMを利用するメリット」4大項目について具体的に解説します
当ブログでは様々な側面からDCIMを利用するメリットについて解説してきました。DCIMのメリットは広範囲なユースケースに及び、一言で表せるようなシンプルなソリューションではありません。そのような側面もあってか、まだあまりなじみのない方々からすると「わかりずらい」という風に思われるのかもしれません。
そんな、まだDCIMソリューションというものがどんなものなのか、まだよく理解されていない方々に向けて、今回は更に違った切り口で解説してみたいと思います。
今回は、弊社が取り扱うSunbird社のホームページで「DCIMを利用するメリット」として紹介されている4つの項目を題材に、よくある運用環境(Excel台帳+簡易的な監視)との比較も軽く交えつつ、より具体的に解説してみたいと思います。
それでは早速始めます。
メリット①:アップタイムの改善(=可用性向上)
「アップタイム」とは稼働時間を意味します。DCIMソフトウェアを使うことで、システムがダウンする可能性を低くし、また仮にシステムがダウンした場合の復旧までの時間を短縮できることで、結果的にアップタイムを改善できる、という理屈です。
いずれにせよ、システムの監視は非常に重要ですので、データセンターでは必ず何らかの監視の仕組みは設けられています。
例えば、異常時に監視対象機器側から直接アラートを発報する、といった簡易的な仕組みでも、システムダウンを予防する十分な効果は得られます。しかし、それでもシステムがダウンしてしまう事は起こり得ます。そして、その原因は、例えば電源の問題であったり、ネットワークの問題であったり、あるいは温度異常が原因であったりと様々です。
監視管理を行う上で重要なことは、監視を一か所にまとめて管理する事、次に障害箇所に関連する情報をすぐに把握できる環境を持っている事であると考えます。監視を一か所にまとめて管理する事で、まず監視業務の簡素化が実現できます。次に、電源・温度監視、機器の搭載位置、配線接続状態などの情報もまとめて管理しておければ、関連情報を即座に把握する事ができるようになり、迅速に障害対応ができるようになります。そして結果的にアップタイムの改善に繋がるというわけです。
もし監視システムがいくつも分かれていたり、資産管理台帳と連携されていない場合だとどうでしょうか?少なくともDCIMと同様の迅速な障害対応は難しいのではないでしょうか?
こちらもよろしければご覧ください → 頻繁に起きるデータセンター障害、ダウンタイムを最小化するためのポイントとは
メリット②:データセンターのエネルギー効率の向上(=省エネ支援)
「エネルギー効率の向上」は、今データセンターが抱える最も重要なテーマのひとつです。そこでデータセンター各社は、様々なアプローチで、エネルギー効率を向上させようと日々努力されていることと思います。
運用面からのアプローチでエネルギー効率の向上に貢献するのがDCIMです。
最新のDCIMでは計測したデータをよりわかりやすくフロア図(温度分布図)やグラフ(ASHRAEチャート、デルタTチャートなど)に表示してくれます。そうすることでユーザは熱だまり箇所をすぐに把握したり、過冷却状態をすぐに把握したりし、データセンター電力の半数近くを占める空調電力の削減に貢献します。
また現在の効率性を確認する為の各種指標(PUE、CO2排出量など)も確認することが出来ます。
従来のシステムで同じことが出来るかどうか?を考えてみましょう。
こちらもよろしければご覧ください → 過去ブログまとめ ~DCIMによるCO2削減、脱炭素支援関連
メリット③:キャパシティプランニングと利用率の向上(=設備効率向上)
DCIMが持つ特徴的な機能の一つに、機器の導入を検討する際の「キャパシティプランニング」があります。データセンターインフラの利用効率を維持するうえで欠かせないのが、キャパシティプランニングです。
DCIMでは、新しいサーバーが設置可能なラックスペースを、電力・ネットワーク・スペースそれぞれの空き状況を横断的に検索し、ユーザに提示してくれます。
これと同じことを従来のシステムでやろうとしてもかなり難しいと思います。Excel台帳でラックの空きスペースやネットワークポート、電源コンセントの空き状況を知るためには、いくつものシートを行ったり来たりしなければならないのではないかと思います。そして現在の利用電力を知るには別の監視システムの画面を開いたりと煩雑かつ時間のかかる処理をユーザは強いられます。結果的に良くわからず現場での現物確認をしてしまったりされてはいないでしょうか?
こちらもよろしければご覧ください → DCIMの真の価値は「キャパシティ管理」と「ワークフローの融合」にあり
メリット④:スタッフの生産性の向上(=生産性向上、省人化)
DCIMは資産管理台帳と監視システムを一つに纏めてグラフィカルなGUIで分かりやすく表示しますが、実はそれだけではありません。DCIMは単なる統合台帳ではなく、日々の運用で使うワークフロー管理(変更管理)機能が組み合わさって、そのメリットが最大化します。
DCIMは、先に述べたメリット①②③の全てにおいて、スタッフが業務に費していた非効率な時間を大幅に効率化しますが、ワークフローを統合化する事で更に生産性は向上します。
作業指示書をExcelで手書きで作成し、それをメールに添付して依頼する、といった運用も決してダメであるとは言いませんが、DCIMを使うとその処理がもっと効率的に行えるということをもっと皆様に知ってほしいと思います。
こちらもよろしければご覧ください → 過去ブログまとめ ~データセンター運用の人手不足問題・省人化対策
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
このブログで、「DCIMを利用するメリット」の理解が少しでも進んだのであれば幸いです。
弊社ブログでは、他にもいろいろな切り口でDCIMのメリットを解説していますので、よろしければ他の記事もご覧いただければ嬉しいです。
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