弊社取り扱いDCIM各製品を比較してみた ~その6:検索機能
弊社取り扱いDCIM各製品を比較してみたシリーズも6回目となりました。過去の投稿についてはこちらにまとめていますのでよろしければご覧ください。
さて、今回の比較するポイントは、地味ではあるもののデータベースにとっては欠かせない重要機能の「検索」です。DCIMツールでいう検索とは、目的のアイテムを探すための単純な文字検索から、ある一定条件を満たすものを絞り込む(例えばリース期限が迫っている機器のみを抽出、etc.)ような、条件検索、あるいはDCIMならではのキャパシティ検索など様々です。
データが増えてくれば来るほど検索を使う機会は増えてくると思います。時間を無駄にしないためにも、膨大なデータからすぐに目的の結果を得られることはとっても重要ですよね。それでは早速順番に見てみましょう。
1.Sunbird dcTrack
Sunbird dcTrackには機能に応じて様々な検索機能が設けられています。
詳しくはこちらの過去ブログで解説していますのでご覧いただきたいのですが、ここでは大きく4種類の検索機能をダイジェストでご紹介したいと思います。
クイック検索:クイック検索はGoogle検索のような感覚で、自分が調べたい文字列を検索窓に入力してEnterするだけの便利な機能です。
一覧表画面の検索:これは一覧表の項目列最上部にある入力欄に文字列を入力して検索するもので、これも直感的に簡単に使えますね。もちろん複数の入力欄に入力して、絞込むこともできます。
ビジュアル検索:2D、3Dでデータセンターを仮想空間で表示する「ビジュアル(Visualization)」メニューにも高度な検索機能が用意されています。この機能では結果がビジュアルに表示されます。ちなみにこの機能は2022年12月リリースののv.9.0.0で強化されました。
キャパシティ検索:「キャパシティ管理」とは、空き電源容量、空きラックスペース、空きポート(ネットワーク及び電源)など、「新しい機器」を収容できるリソースがラック側にあるかどうかを横断的に調べる機能です。
2.デンソー garmit
garmitにはちょっと独特な「ハッシュタグ」という機能があります。これは、SNSでよく用いられる”#(ハッシュタグ)”を活用してより柔軟な検索を行うことができる、ということです。
例えば、システム開発段階でプロジェクトコードネームを命名するケースが多いようですが、そのコードネームをラック搭載機器のコメント欄にハッシュタグ付き登録することで、コードネーム単位で搭載機器の一覧を瞬時に抽出することができます。
図の例(アセットレポート画面)では、「Athens」と「Berlin」という開発コードネームが登録されたラック搭載機器の一覧を検索表示したものを示しています。
3.Schneider Electric Struxureware DCO
Struxureware Data Center Operation(DCO)の検索機能はシンプルなアイテム名検索のみとなっています。
階層でロケーション・ラック・機器を管理するナビゲーションツリーの上部にある検索窓に任意の文字列を入力すれば、その文字列を含むアイテムがフィルタリングされて表示される仕組みです。
Web UI側はもっと簡易的であり、サーバールームのフロアマップ表示画面でのみ検索が表示され、検索できるのもラック名称のみとなっています。
ちなみにクラウド版のEcostruxure ITについてもアイテム名検索のみという基本は変わらないようです。
4.Commscope iTRACS
iTRACSの検索機能はデスクトップ版であるDM(Data Manager)と、ウェブ版であるCI(Converged Infrastructure)で異なります。
デスクトップ版であるDMでは、10項目以上の項目での複合条件検索ができますが、ウェブ版であるCI(現時点)では単純な文字列検索のみとシンプルなものになっています。しかしCI上での検索では、アイテム名に加え、そのアイテムが持つ属性(例:シリアル番号やアセット管理番号など)も検索範囲に含まれる形です。ウェブ版については昨年2022年に新たにゼロから再開発されたものであるので、今後の発展に期待したいところです。
まとめ
検索機能がすべてではありませんが、検索機能の充実度で単純比較すると、比較した4製品の中ではSunbirdが抜きんでている結果となりました。garmitのハッシュタグを使った検索もユニークで柔軟性が高いと思われます。
たかが検索、されど検索、ということで、検索機能の良し悪しもソフトウェアの使い勝手に結構影響するのではないかと考えます。この記事が皆様のDCIMツールの検討の際のお役に立てれば幸いです。