最近の経済トレンドとデータセンター課題：その解決手段の1つについて

2020年代に入り、世界経済はめまぐるしく動いています。新型コロナウイルスのパンデミックに始まり、ポストコロナでは抑制された需要が解き放たれたと同時にロシア・ウクライナ紛争が始まり、エネルギー高騰問題とともに世界的なインフレが大きな問題となってきました。インフレの抑制を狙い、アメリカの中央銀行である米連邦準備制度理事会（FRB）は段階的な利上げを行ってきましたが、これが金融システムへの負の副作用を引き起こし、シリコンバレー銀行の破綻をきっかけに欧米での金融不安が広がりました。また、金利上昇は景気を冷やすことから、米国を中心に世界的な景気後退が今後進むと思われます。

データセンター市場に目を向けると、コロナ禍に伴うクラウド需要の爆発的な伸びもあり、メガクラウド事業者を中心に急激なデータセンター拡張と人材採用が進んできました。しかし、現在はその反動として、米国のメガテック企業を中心に昨年以来相次ぐ大規模なリストラが行われています。

また、コロナ禍以降のサプライチェーン問題も引き続き継続しています。以前に比べると緩和してきているようですが、地政学的な緊張はまだまだ続いており、今後も懸念のひとつとなっていくと思われます。

さらに、地球温暖化問題も引き続き世界的な課題のひとつです。電気やエネルギーを大量消費するデータセンターでは、この問題は重くのしかかり、エネルギーコストの削減や脱炭素に向けた取り組みは各社にとって大きな課題となっています。日本でも「改正省エネ法」や「グリーン成長戦略」など、政府が各社に具体的な目標を課すような動きが見られます。

しかし、データセンター業界にとってはプラスの要因もいくつかあります。ChatGPTに代表される最近のAIブームは、データセンター需要を押し上げる要因の一つです。また、コロナ以降浸透したリモートワークも、引き続きデータセンター需要を後押しすることが予想されます。

JLLの最新のレポートによると、2021年から2026年までの期間において、ハイパースケールデータセンターは20%成長し、コロケーションデータセンターは11.3％成長することが予測されています。日本市場においては、デロイト トーマツ ミック経済研究所は「年平均9.4％で成長が継続する」と予測していますが、この数字は各社が均等に成長するわけではないことから、日本のデータセンター事業者は継続的に競争力と差別化を図る必要があると考えられます。

課題解決の一つの手段としてのDCIM

さて、かなり多岐にわたるポイントを説明しましたが、このような状況の中、データセンター事業運営を、いかに顕在課題をクリアしつつ競争力を維持していけるかが各社の目指す方向性ではないでしょうか？まず、先ほどのポイントを整理してみます。

データセンター企業が直面する課題

• インフレ（仕入れコスト上昇で原価を圧迫）
• サプライチェーン問題（納期がかかるためすぐに拡張できない）
• エネルギー問題（電気代高騰で原価を圧迫）
• 人手不足（運用を十分に回せなくなる懸念）

上記の課題を解決するひとつの手段として、データセンターインフラ管理（DCIM）システムの活用があります。例えば次のような効果が挙げられます。

• インフレ（仕入れコスト上昇で原価を圧迫）→　設備利用のムダを減らし効率化することで、設備投資コストを抑制
• サプライチェーン問題（納期がかかるためすぐに拡張できない）→　追加設備投資を抑制することで問題を緩和
• エネルギー問題（電気代高騰で原価を圧迫）→　電気利用状況の見える化、分析を行い、エネルギー効率を高める
• 人手不足（運用を十分に回せなくなる懸念）→　台帳の統合化、運用の一部を自動化などで省人化

長い文章となるため、ここでは具体的な課題解決の詳細には触れませんが、DCIMの導入は、様々な課題を解決するための有効な手段のひとつであることはご理解いただけるでしょう。

より詳しい情報については弊社ブログでいくつか紹介しておりますのでお探しいただくか、あるいは弊社までお問い合わせいただければ具体的にご説明させていただきます。具体案件あるなしにかかわらずお気軽にお問合せください。

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