Raritan PDUで高精度/高効率/高品質なデータ管理を実現するPowerIQの隠れた便利機能

弊社が取り扱うSunbird社のPowerIQというDCIMソフトウェアは、メーカーやモデルを問わず対応する汎用性がひとつの特徴であり、計測デバイスから電流データや温度データを設定したポーリング間隔で受信し、画面上に表示したりすることが可能です。その中でも、Raritanというメーカーが提供するインテリジェントPDU（電力計測、温度計測や制御などが可能な高機能な電源タップ）に限ると、さらにハイレベルな管理が行えるのをご存じでしょうか？

要するに他社製品よりも親和性が高いということですが、これはSunbird社がRaritan社からスピンアウト（分社）して生まれた会社であることが理由になります。

ということで、今回はRaritan（＋Server Technology）インテリジェントPDU限定、高精度・高効率・高品質なデータ管理を実現できるSunbird PowerIQの「バッファ・データ取得」機能オプションを活用した２つのユースケースをご紹介したいと思います。

ユースケース１：データ粒度を高め、非常に精細なデータ管理を実現

まず前提条件として、RaritanのインテリジェントPDUは最小3秒という非常に細かな間隔でデータサンプリングを行うことが可能です。一方、PowerIQは最小15秒のポーリング間隔の設定が可能です。

最初のユースケースは、HPC環境など、より厳格な品質を求める環境に対するソリューションです。

一般的なユーザーの運用環境ではデータ取得の間隔は5分とか15分などで十分ですが、アプリケーションにより、より精細なデータ管理を要求されるケースがあります。15秒間隔という設定はすでに十分すぎる粒度の高さではあるものの、さらに高いデータ粒度を要求されることもあります。よのようなニーズに応えることができるのが、この機能オプションであり、この機能を有効にすると、Raritan PDUが3秒間隔で取得したサンプリングデータをすべてもれなくPowerIQに取り込み、管理することができるようになります。

具体的な動きとして、PowerIQは15秒おきにRaritan PDUのバッファ領域に一時的に保管されている3秒おきのサンプルデータ5個をまとめて取得します。要するに1秒間に20個のデータが取得できることになります。

ユースケース２：データ取得の効率を高め、一時的なネットワークダウンによるデータ欠損を防ぐ

もうひとつのユースケースは、より一般の環境で役に立つものです。

前述のユースケースでは、PowerIQのポーリング間隔を最小の15秒と設定しましたが、今回はPDUのサンプリング間隔を「1分」、PowerIQのポーリング間隔を「1時間」と設定してみます。

【補足】Raritan PDUは、サンプリング間隔を3 秒から 600 秒 (＝10 分)までの3 秒の倍数で設定することができます。またバッファ領域は最大120個までのサンプルデータを一時保管できます。

この設定では、ポーリング間隔を1時間とすることでサーバとネットワークに負荷を掛ける回数（時間）を減らしつつ、同時に高密度なデータ粒度を実現できるメリットがあります。言い換えればデータ取得の効率を高めるというものですが、この設定を行うことで二次的なメリットが生まれます。

そのメリットとは、仮に一時的なネットワークダウンが生じても、復旧後に後追いで1時間分の計測データを一括取得できることで、一部のデータが欠落してしまう可能性を抑制するということです。注意点としては、この設定を行った場合でも、データの一括取得のタイミングに運悪くネットワークダウンが重なってしまうと、1時間分のデータ取得ができなくなるといった別の問題が発生する可能性があります。

この問題を避けるためには、データ再取得が可能なように設定することが推奨されます。ちなみに、今回の設定例では、PDUは最大2時間分のサンプルデータをバッファ領域に一時保管できます。したがって、初回のデータ取得が失敗しても2度目の試行で再度チャレンジすることができます。それでも心配な方は、PDUのサンプリング間隔とバッファ領域、PowerIQのポーリング間隔を調整して、再試行の機会をさらに増やすことができます。

というわけで、今回は意外に知られていないRaritan PDUとSunbird PowerIQの機能オプションを使った２つの活用事例をご紹介しました。これ以外にも、この組み合わせを活用した便利なユースケースが存在しますので、それらについては別の機会に紹介させていただきます。

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RaritanのインテリジェントラックPDUの製品情報はこちら（ラリタン・ジャパンのページにジャンプします）

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