DCIM(データセンターインフラ管理)の構成概念図:新しい視点で解説する(第二弾)
DCIM(データセンターインフラ管理)は、データセンターの設備インフラを効果的に管理するためのツールです。電力計測や温湿度などのセンサーを使用し、様々なデータを収集し、一元化されたシステムで管理することができます。また、構成管理情報や監視カメラ映像の統合、他のITサービスとの連携など、さまざまな機能を備えています。
DCIMを導入することで、データセンターの運用管理が効率化され、情報の可視化や分析、トラブルシューティングなどが容易になります。また、容量管理や変更管理などの業務も簡素化されます。
しかしながら、DCIMの本質や利点について理解されていない方もまだ多く存在しています。私たちは、より多くの方々にDCIMの価値を伝えるために、啓発活動や情報提供の強化に取り組んでいます。
そこで、当ブログでは2年前に「一般的なDCIMの構成図」をブロック図のイメージとしてご紹介しましたが、今回は視点を変えてより具体的なアイテム画像を使用した「DCIMの構成概念図」について解説します。
※ なお、本文で説明する「DCIMレベル」は、以前当ブログで解説したDCIMの機能のカテゴリ分類で解説しています。
- 「レベル1」では、DCIMソフトウェアが収集する為の「主にラック周辺に設置されるセンサー機器や、制御機器」を示します。
- 「レベル2」では、それらの機器を一つに集約し、統合監視します。
- 「レベル3」では、設備や機器の資産管理や位置管理、配線管理などの台帳を統合化した機能が提供され、付加されます。
右図は例としてサーバーラックを基準として、DCIMの管理項目を表した図となります。(※ 尚、DCIMによる各管理項目はITラックを基準としたものとなります)
まず、データセンターの設備インフラ管理の基礎(レベル1:黒)として、電力計測や温湿度などのセンサーが配備されます。
電源の計測には、一般的にはラック内に設置されるiPDU(インテリジェントPDU)または分電盤内に設置されるBCM(分岐回路計測)が使用されます。温湿度計測のセンサーについては、通常、DCIMではラックの扉(前面、背面)に1〜複数箇所取り付けられます。iPDUは外部温湿度センサーを取り付けることもでき、電力計測と一緒に管理できるため便利です。
これらのセンサーによって収集されたデータは、DCIMサーバーに送信され、サーバーのデータベースに蓄積されます(レベル2:赤)。これにより、多くのセンサー計測値を1つの画面で集中的に閲覧することができ、管理が簡素化されます。また、過去のデータも閲覧できるため、傾向分析や障害切り分けなどに役立ちます。なお、DCIMではラックの電子錠の解施錠制御や管理も可能です。
次に、DCIM(レベル3:青)は構成管理情報の管理にも優れており、アセット情報、ケーブリング情報、フロア図やラック搭載情報、IP管理情報など、さまざまな情報を統一的なシステムにデータベース化します。これにより、重複登録を防ぎ、情報の閲覧性を向上させ、運用担当者の効率を大幅に向上させます。
DCIMには、監視カメラ映像の監視や、ServicenowなどのITサービスマネジメント(ITSM)とのREST API連携(レベル4:緑)など、他の要素もあります。また、ユーザーのニーズに応じた拡張性も備えています。
これにより、データセンターインフラの運用に必要なあらゆるデータを活用し、ユーザーはDCIMツール内で容量管理や変更管理業務などを項目横断的に行うことができるようになります。
データセンターインフラ運用課題解決に向けたご相談は、DCIMのスペシャリストである弊社までご相談ください。
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