コスト削減と作業効率化:データセンター事業者によるリモートハンドサービスの最適化

K-Iwasaki

データセンターのハウジングサービスを提供するDC事業者では、オプションサービスとして「リモートハンドサービス」を提供することがあります。

「リモートハンドサービス」は、遠隔地にあるデータセンターやサーバールームで発生する物理的な作業を、DC事業者の現地スタッフが利用ユーザー顧客の代わりに代行します。例えば、サーバーの再起動、ケーブルの接続・切断、ハードウェアの交換、ラックのインストールなどの作業があります。

このサービスには、出張や現地人員の配置を不要にし、コスト削減を実現する利点があります。また、遠隔操作により作業が迅速かつ効率的に行われ、サービスの信頼性や可用性の向上にも貢献します。

しかしながら、「リモートハンドサービス」自体の運用手法によって、不要な工数がかかったり、迅速な対応ができないケースもあります。

その問題の原因の一つは、リモートハンドサービスを提供する事業者が現場の機器設置状況を正確に把握できていないことです。リモートハンドサービスを提供する事業者は、顧客ラック内に設置された機器の管理台帳を保有しているべきですが、提供された情報と一致しない場合、確認作業にメールや現場調査が必要となり、追加の工数がかかることになります。

個々のメールや現場調査自体は些細な作業かもしれませんが、その回数が増えると問題が発生します。例えば、情報確認に1件あたり30分かかるとすると、年間100件の作業があれば、3,000分(50時間)もの本来不要な作業に時間を費やすことになります。また、顧客の時間も取られてしまいます。これらの細かな非効率な業務が積み重なると、労働生産性に影響を及ぼす可能性があります。

DC事業者側は顧客の台帳の管理はしない

この問題を解決するのは簡単です。まず、DC事業者側は顧客の台帳の管理をしないことです。台帳を管理しても情報がずれてしまうため、その管理自体が無駄な作業です。ただし、『台帳を管理しないでどのようにリモートハンドサービスを提供するのか』という疑問があるかもしれません。その答えは、顧客の最新の管理台帳を参照すれば良いのです。顧客が通常使用している台帳を参照することで、情報の不一致が起こる可能性はありません。ただし、顧客にExcel台帳を毎回送ってもらうのは効率的ではなく、顧客に余計な作業を強いてしまうことにもなります。

私たちは、この問題を解決するためにDCIM(データセンターインフラ管理)を活用できると確信しています。

DCIMは、データセンター機器のアセット管理やラック実装、配線台帳などの機能を持っており、Excelよりも簡単に台帳登録ができ、視認性も格段に向上します。データセンター事業者は、この機能を顧客に提供すれば良いのです。その後は、繰り返しますが、『顧客が更新した情報を参照するだけ』です。

顧客の台帳の管理に時間を費やし、さらに情報の不一致の問題を解消するために余計な時間を費やす… これらの手間から解放されるために、私たちが推奨する最新のDCIMを使用することをおすすめします。


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