DCIMツールの導入によるROI:データセンター効率性とコスト削減の実現
DCIM(データセンターインフラ管理)ツールは、データセンターのインフラストラクチャの監視、管理、制御、そして運用を支援するためのソフトウェアで、現代のデータセンター運用には欠かせないものとなりつつあります。実際に導入することによって、組織はさまざまなROI(投資収益率)を期待することができるのですが、DCIMツールの導入をご検討されている企業様からは、しばしばDCIMのROIへの疑念とともに具体的なROIを知りたいといった質問をいただくことがあります。そこで今回は、DCIMツールがもたらす一般的なROIのいくつかを示します。
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コスト削減: DCIMツールは、データセンターの電力効率や冷却効率を最適化するためのリアルタイムのモニタリングと分析を提供します。これにより、電力や冷却の無駄を削減し、エネルギーコストを下げることができます。また、設備の予防保守やトラブルシューティングにおいても効率的なリソース使用を可能にするため、メンテナンスコストの削減も期待できます。
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スペース最適化: DCIMツールは、データセンター内のラックやデバイスの配置を最適化するための機能を提供します。横断的なキャパシティ検索機能は、空きスペースの特定や利用可能な電力容量や通信・電源ポート空き状況等の把握を容易にし、スペースの有効活用を促進します。これにより、物理的なスペースの節約が可能になり、将来的な拡張や新規設備の導入時に不要な追加投資コストを抑制する効果を発揮します。
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効率的な資産管理: DCIMツールは、データセンター内のハードウェア資産のトラッキングと管理を容易にします。正確な在庫管理と資産の配置の最適化により、資産の見える化と利用状況の把握が可能になります。例えば、稼働率が極端に低いゴーストサーバ(ゾンビサーバとも呼ばれる)など、アンダーユーティライズされている資産を特定し、再割り当てや共有リソースの最適化による効率化をユーザに促し、無駄な電気代削減やスペース削減など、総合的なコストダウンを促します。
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リスク管理: DCIMツールは、データセンター内の異常状態や障害の早期検知、アラート通知を行います。これにより、データセンター全体の可用性やパフォーマンスを維持し、予期せぬダウンタイムに伴う金銭的な損失を予防します。また、DCIMツールのアセット管理機能では、ハードウェアの寿命情報やメンテナンススケジュールを追跡することもできます。これにより、ハードウェアの適切なメンテナンスや交換のタイミングを把握し、予防保守によるダウンタイムの最小化や予算の最適化が可能になります。これらにより、事業継続性やデータセンターの信頼性を向上させることができます。
- 運用の省人化:DCIMツールは、従来のスプレッドシートやその他いくつもの監視システムを併用する運用と比べ、データ登録の容易性に加え、データの検索容易性と直感的な可視性に優れ、また電力計測データとアセットデータなどの異なるデータをシームレスに比較閲覧することができるため、データセンター運用スタッフの省人化を促進します。また、弊社が取り扱う一部のDCIMツールでは、資産の監査証跡を記録することができ、コンプライアンス要件を満たすための支援をします。資産の追跡や変更履歴の詳細なログ記録により、監査プロセスの合理化や規制要件への準拠が容易になります。これらの機能により、データセンター運用に係る人的コストを抑制することが可能となります。
このように、DCIMツールはデータセンターの効率性とパフォーマンスの向上、コスト削減、リスク低減、資産の最適化と見える化などのあらゆる角度からROIを実現するものであることがご理解いただけるかと思います。ただし、具体的なROIは組織の要件や運用形態、システム導入の範囲などによって異なるため、事前のお客様環境の精密な状況把握とともにビジネスケースの構築が重要となります。
弊社DC ASIAでは、それぞれの組織要件や運用形態により最適なソリューションを提供すべく、複数DCIMツールを取り扱い、専門のコンサルタントによるアセスメントを行っております。
データセンターインフラ運用課題解決に向けたご相談は、DCIMのスペシャリストベンダーである弊社までご相談ください。
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