スクラッチ開発 vs パッケージ:開発コスト、セキュリティ、メンテナンスの視点から解説
当ブログでは、しばしばスクラッチ開発ソフトウェアとパッケージソフトウェアの比較について解説してきました。例えば、以下はその一例ですので、ご興味がある方はぜひご覧ください。
- スクラッチ開発システムvsパッケージソフトウェア DC運用ではどちらがいいの? ~それぞれのメリットとデメリットを紹介
- パッケージソフトを使い業務の俊敏性と効率性を向上 ~スクラッチ開発ソフトウェアとパッケージソフトウェアの導入割合に関する日本と米国との違いを紹介
- データセンターインフラ運用シーンでも見られるガラパゴス化現象について考える ~日本のITのガラパゴス化をスクラッチ開発文化を例えに考察
このテーマは他のサイトでも頻繁に取り上げられており、企業がソフトウェアを導入しようと検討している際に知りたい重要なポイントの一つとなっているようです。今回はスクラッチ開発ソフトウェアのメリットとデメリットに焦点を当て、AI(ChatGPT 3.5)に客観的な評価をしてもらいました。
ChatGPTによる回答:「スクラッチ開発ソフトウェアのメリットとデメリットとは?」
メリット:
-
完全なカスタマイズ性:
- スクラッチから開発することで、ニーズに完全に合わせたカスタマイズが可能です。既存のコードやフレームワークに依存せず、要件に応じてアプリケーションをデザインできます。
-
最適なパフォーマンス:
- ソフトウェアが特定の要件に合わせて最適化されているため、パフォーマンスが向上する可能性があります。
-
スキルの向上:
- 開発者は、基本的なプログラミングスキルや設計原則について深い理解を得ることができます。これは将来のプロジェクトやキャリアにおいて役立つことがあります。
デメリット:
-
時間と労力:
- スクラッチから開発するのは時間と労力がかかります。既存のフレームワークやツールを使用するよりも開発サイクルが長くなります。
-
セキュリティの懸念:
- 既存のライブラリやフレームワークはセキュリティの専門家によってテストされていますが、スクラッチで開発する場合、セキュリティのホールやバグが見落とされる可能性があります。
-
標準機能の再実装:
- 一般的な機能やパターンは既存のフレームワークに組み込まれていますが、スクラッチ開発ではこれらを再実装する必要があり、これによって効率性が低下する可能性があります。
-
コードの保守性:
- スクラッチで開発されたコードは特定の開発者に依存しやすく、後続の開発者が理解しにくい場合があります。保守性が低下する可能性があります。
なお、以下のような問題点の指摘もありました。
-
開発コストと時間:
- スクラッチ開発は通常、開発コストと時間がかかります。既存のパッケージソフトウェアを利用する方が迅速でコスト効果が高いことがあります。特に締め切りが厳しいプロジェクトや限られた予算がある場合、スクラッチ開発はハードな選択となります。
-
メンテナンスの複雑性:
- スクラッチ開発のソフトウェアは、将来のメンテナンスが困難であることがあります。開発者が変わったり、新しい要件が追加された場合、十分なドキュメンテーションがないと理解が難しくなります。
-
テストと品質保証:
- スクラッチ開発は、十分なテストが行われない限り品質が保証されにくいです。一方で、多くのパッケージソフトウェアは広範囲にわたるテストと品質保証が組み込まれています。
-
技術の進化に対する対応:
- スクラッチ開発で作成されたソフトウェアは、技術の進化に追従しにくいことがあります。新しい技術やセキュリティの脅威に対応するためには、開発者が追加の作業を行う必要があります。
-
専門知識の不足:
- スクラッチ開発では、特定の領域や専門知識が不足している可能性があります。これにより、業界標準のベストプラクティスやセキュリティ標準に準拠していないことが懸念されます。
最後に
スクラッチ開発ソフトウェアはオーダーメードスーツに例えられることがあります。体系にジャストフィットするオーダーメードスーツは、既製品のスーツと比較して間違いなく優れています。ただし、ソフトウェアにこの考えが100%当てはまるとは言えません。特に、複雑なデータセンター構成要素をワンシステムで管理するDCIMツールというものは、一朝一夕で開発できるものではなく、仮にスクラッチ開発をしたとしても、例えば単純な電流計測値を表示するだけのような、限定的な機能にとどまるのが一般的かと思われます。
最終的なご判断はお客様自身ですが、総じてデータセンターの運用管理・監視を行うシステムとしては、パッケージ型DCIMを導入するのが一般的に推奨できると我々は考えています。当ブログがお客様のご判断の一助になれば幸いです。