プロトコルゲートウェイを使いエニイワイヤ ゲートサーバとPowerIQを連携する
Sunbird社が提供するデータセンターのモニタリングDCIMソフトウェアであるPowerIQはダイナミックプラグインという標準機能を使い、拡張性を持たせることができます。
PowerIQソフトウェアは標準でSNMPプロトコルしか対応していないので、そのままでは設備監視でよく使われるModbusなどしか対応していない計測装置からのデータを取り込むことはできません。しかし、このダイナミックプラグイン機能とプロトコルを変換するゲートウェイ機器を使うことで、あらゆる装置からの計測データをPowerIQ上で管理することが可能となります。
今回はその一例として、日本国内の多くのユーザ様での利用実績のあるエニイワイヤ (Anywire)のゲートサーバが収集した電流計測値をPowerIQ上で管理した実例について、その簡単な仕組みをご紹介したいと思います。
まず、エニイワイヤはModbus TCPをサポートしているので、ModbusからSNMPへのプロトコル変換を行うプロトコルゲートウェイを設置します。(弊社では様々なメーカーのプロトコルゲートウェイを取り扱っています)次にエニイワイヤで計測しているそれぞれの電源回路のModbusアドレスをゲートウェイに登録し、それぞれをマッピングさせます。これでゲートウェイ側でエニイワイヤの計測データを見ることができるようになります。
次にそれぞれのModbusアドレスに対し、SNMP OIDを割り当てます。これでゲートウェイ側でエニイワイヤが計測した電流値をPowerIQで取得し、表示することが可能となります。
尚、PowerIQでは電流値だけではなく電力も管理することができます。しかしエニイワイヤでは電流値しか管理していないので、そのままでは電力を表示させることはできません。そこで、ゲートウェイ側で固定値の電圧フィールドを設け、それぞれの回路の電流値に電圧をかけ合わせる演算を行わせます。(これは厳密には力率を無視した皮相電力であり、有効電力ではありませんが)この演算した電力値に対しても同じくSNMP OIDを割り当てます。これでざっくりとした電力値も準備できました。
ゲートウェイ側での準備はできましたが、まだPowerIQでデータを受け取ることはできません。PowerIQでゲートウェイからのデータを受け取るには、標準の「ダイナミックプラグイン」機能で、ゲートウェイが用意したSNMP OIDのアドレスを登録します。ちなみにPowerIQのダイナミックプラグインは柔軟な機能性を持っており、それぞれ異なる構成やニーズに合わせて設定することができます。
最後にPowerIQでゲートウェイのIPアドレスに対しSNMPポーリングを掛ければ、エニイワイヤの計測値(+α)をPowerIQのGUI上に表示させることができます。
今回はエニイワイヤの事例をご紹介しましたが、他のメーカー、他のプロトコルでも同様対応は可能です。DCIMツールを既存の計測システムを生かしつつ導入されたい方はお気軽に弊社までご相談ください。
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