Excelベースのデータセンターインフラ管理台帳の限界とDCIMワークフローの活用
データセンターのインフラ管理は、複雑で絶えず変化する作業です。サーバー、ストレージ、ネットワーク機器など、膨大な数の資産を効率的に管理し、可用性を維持することは容易ではありません。
多くの企業では、Excelなどのスプレッドシートをベースとした台帳を使用して、データセンターのインフラ資産を管理しています。しかし、Excelベースの台帳にはいくつかの大きな課題があります。まずはその問題点を挙げてみます。
Excelベースのインフラ台帳管理の問題点とは?
問題点1. データ入力の負担が大きい
Excelベースの台帳は、すべて手動で更新する必要があります。そのため、新しい資産を追加したり、既存の資産の情報を変更したりするたびに、データを入力する必要があります。マスタデータが存在しないことで、機器のスペック情報も繰り返し入力してしまうことになります。これは、非常に時間のかかる作業であり、データ入力ミスが発生しやすいという問題もあります。
問題点2. データの整合性が保ちにくい
複数の担当者がExcelベースの台帳にアクセスして更新する場合、データの整合性が保ちにくくなります。異なる担当者が異なる情報を記録したり、更新タイミングがずれたりすると、台帳の内容が不正確になってしまう可能性があります。
問題点3. 変化への対応が遅い
データセンターのインフラは、常に変化しています。新しい機器が導入されたり、古い機器が廃棄されたり、ネットワーク構成が変更されたりします。Excelベースの台帳では、こうした変化に迅速に対応することが難しく、台帳の内容が常に最新の状態ではないという問題があります。
最新情報を常に正確に維持しないと、その台帳自体が意味のないものになってしまいます。しかも、正確性を維持しようとすればするほど、台帳更新にかかる時間は増えてしまいます。日々の多忙な運用業務の中で、このようなジレンマを抱える運用担当者は少なくないのではないでしょうか?
こうした課題を克服するためには、データセンターインフラ管理(DCIM)ツールのワークフロー機能を活用することが有効です。
DCIMワークフロー機能のメリット
DCIMワークフロー機能は、データセンターインフラ管理の作業を自動化し、効率化することができます。主なメリットは以下の通りです。
- データ入力の負担を軽減
- 新しい資産の追加や既存資産情報の変更は、自動的に台帳に反映されます。
- 既存データやマスタデータを更新するだけなので、データ入力ミスを減らすことができます。
- データの整合性を保つ
- 複数の担当者が台帳にアクセスして更新する場合でも、データの整合性が保たれます。
- 監査証跡機能などで、更新履歴を追跡することができます。
- 変化への対応を迅速化する
- インフラの変化を自動的に検知し、台帳を更新することができます。
- 最新機種のマスタデータを更新したり、常に最新の状態の台帳を利用することができます。
DCIMワークフロー機能の具体的な活用例
DCIMワークフロー機能は、以下のような様々な作業に活用することができます。
- 資産管理
- 新しい資産の追加
- 既存資産情報の変更
- 資産の廃棄
- 資産の移動
- 変更管理
- ネットワーク構成変更
- ハードウェアのアップグレード
- ソフトウェアのインストール(ITSMとの連携などにより)
- 問題管理
- 機器障害の報告
- トラブルシューティング
- 障害復旧
まとめ
Excelベースのデータセンターインフラ管理台帳には、データ入力の負担が大きい、データの整合性が保ちにくい、変化への対応が遅いなどの課題があります。これらの課題を克服するために、DCIMツールのワークフロー機能を活用することが有効です。
DCIMワークフロー機能を活用することで、データセンターインフラ管理の作業を効率化し、より正確な台帳を維持することができます。
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