データセンターの運用管理業務とDCIMの活用ポイント

K-Iwasaki

データセンターの運用は、膨大な数の設備・ITハードウェアとネットワークの管理を伴います。これらの作業を効率化し、日常の運用負荷を軽減するために多くの企業がDCIM(Data Center Infrastructure Management)ツールを導入しています。今回は、データセンターで代表的な日々の運用管理項目と、DCIMがどの部分で役立つのか?についてご紹介します。

1. 設備・IT機器などのインベントリ管理

運用内容: データセンターには数多くの設備、サーバーやネットワーク機器が設置されています。それらのインベントリを適切に管理することは、トラブル時の迅速な対応やリソースの効率的な使用に欠かせません。メーカーやモデル、シリアル番号、設置場所など、すべての情報を正確に把握する必要があります。

DCIMの活用: DCIMツールはすべての機器のリアルタイムなインベントリ情報を一元管理します。機器の位置や詳細仕様、稼働状況を瞬時に確認できるため、手作業でのミスが減り、資産管理の精度が向上します。

2. ラックスペース管理

運用内容: ラック内のスペースを効率的に活用することは、データセンターの運用効率を高めるための重要な課題です。新しい機器を設置する際には、スペースや冷却、電力の利用状況を慎重に計画する必要があります。

DCIMの活用: DCIMはラック内のスペース利用状況を可視化し、どのラックに空きがあるか、どの機器が設置されているかを一目で確認できます。これにより、ラックスペースの最適化や将来の拡張計画が容易になります。

3. 電力・冷却の管理

運用内容: 電力や冷却はデータセンターの安定稼働において非常に重要です。過負荷にならないように電力の使用状況を管理し、効率的に冷却システムを運用することで、トラブルやコストの増大を防ぎます。

DCIMの活用: DCIMはリアルタイムで電力と冷却の使用状況を監視し、過負荷や非効率な冷却を自動的に警告します。これにより、エネルギー消費を抑え、最適な環境を維持しながらランニングコストの削減も実現します。

4. ネットワークケーブル管理

運用内容: ネットワークケーブルの管理は、配線図の整備や変更時の混乱を防ぐために不可欠です。データセンターの複雑なネットワーク環境では、ケーブルの接続状況を正確に把握し、必要に応じて迅速に対応することが求められます。

DCIMの活用: DCIMはケーブルの接続状況を視覚的に管理し、どの機器がどのポートに接続されているかを明確にします。これにより、配線ミスを防ぐだけでなく、ネットワーク変更やトラブルシューティングをスムーズに行うことができるようになります。

5. 機器のメンテナンスと監視

運用内容: 機器の定期的なメンテナンスや監視は、トラブルを未然に防ぐために欠かせません。ハードウェアの故障や劣化を早期に検知し、必要な保守作業を計画することが重要です。

DCIMの活用: 機器のリアルタイム監視は一般的にNMSなどの領域であり、通常DCIM側では行いません。

6. セキュリティ管理

運用内容: データセンター内のセキュリティ管理には、物理的なアクセス管理や監視カメラの運用、アクセスログの監視が含まれます。特に、施設へのアクセス権限の制御は、セキュリティの要です。

DCIMの活用: 電気錠管理や監視カメラとの連携機能などを持つDCIMソフトウェアでは、アクセス履歴の追跡管理ができます。誰がどのエリアにアクセスしたかの記録を残すことで、不正アクセスの監視や管理が容易になります。

7. 資産ライフサイクル管理

運用内容: 機器は購入から設置、運用、廃棄までのライフサイクルがあり、それらを統合的に管理することが必要です。適切なタイミングでの更新や廃棄は、無駄なコストの発生を防ぎます。

DCIMの活用: DCIMは、機器のライフサイクル全体を管理し、導入時期や廃棄予定を一元管理します。これにより、資産管理が効率化され、更新や廃棄のタイミングも適切に把握できるようになります。

8. 容量管理

運用内容: サーバーやストレージの容量を日々監視し、将来的なリソースの拡張計画を立てることは、データセンターの安定稼働に重要です。容量の過不足が発生しないように計画的な管理が求められます。

DCIMの活用: DCIMはリアルタイムでのリソース使用状況を監視し、将来の需要を予測する機能を持っています。これにより、リソースの最適化が行いやすくなり、設備のムダな運用を防ぎ、コストを圧縮します。

9. 障害対応

運用内容: 障害が発生した際には、迅速に原因を特定し、適切な対応を行うことが必要です。障害の影響範囲や過去のトラブル履歴を即座に把握することが求められます。

DCIMの活用: DCIMは障害の影響範囲を可視化し、迅速な対応をサポートします。また、過去の障害履歴を参照できるため、同様のトラブルが発生した際の対応が容易になります。

まとめ

DCIMツールは、データセンター運用のあらゆる領域で効率化を図るための強力なツールです。特に、手作業で行うことが難しいデータのリアルタイム収集や、予測分析を通じた計画的な運用が可能になるため、運用コストの削減やダウンタイムの軽減に大いに貢献します。もしデータセンターの運用効率を向上させたいとお考えなら、DCIMの導入を検討してみてはいかがでしょうか?


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